「腰痛」「肩こり」冬は悪化に注意! 原因・予防・対策を解説
厚生労働省の調査によると、日本人の2人に1人が肩こりに、4人に1人が腰痛に悩んでいる。
“国民病”ともいえる腰痛と肩こりは、冬になるといっそう症状が悪化する。冬の寒さで体が冷えると、血管が収縮して血流が悪くなるが、これが腰と肩の痛みを増幅させる要因にもなるのだという。
痛みの原因はホルモン『プロスタグランジン』
薬剤師の倉田綾子さんが語る。
「肩こりや腰痛の原因は血流の悪化と痛みのもととなるホルモン『プロスタグランジン』です。『プロスタグランジン』は鎮痛剤でブロックできますが、血流は改善しないため、痛みが長引きやすい」(倉田さん)
「冷え対策」が最大の予防になるという。
体の内側から温めるのが大切
「体を温めて、血の巡りをよくすることが最も効果的です。使い捨てカイロを使う、厚着をするなど、“体の外側”から温めようとするかたが多いですが、体を動かすことで“体の内側”から温める方が大切。運動により血行がよくなって、痛みが遠ざかります。1日20分ほど早歩きするだけでも、血の巡りは格段によくなりますよ」(倉田さん)
体内から効果的に温めるためには、食べ物と飲み物も重要だ。
「血流改善に効果がある素材は、シナモンやしょうがです。体が冷えるこの時期は、温めたミルクや紅茶にシナモンやしょうがを入れて飲むと、おいしい上に健康的です」(倉田さん)
冬は部屋の暖房をつけてぬくぬくしたいものだが、意外にも健康に適しているのは、「少し寒い部屋」だという。
「暖かい部屋から寒いトイレに行く時など、急激な温度変化は血管を収縮させて痛みをもたらします。“体の中は温かく、部屋の中は少し寒く”が基本なのです。
また密封された暖かい部屋だと毛穴が開き、ウイルスや菌が体内に侵入しやすくなります。
毛穴が開いた状態で冬を越せば、花粉が入り込んで花粉症が悪化する可能性もあります。
寒い冬場こそこまめに換気をしつつ、室温を上げすぎないように気をつけましょう」(倉田さん)
痛み知らずの冬を過ごすためにも、実践あるのみ。
【肩こり・腰痛対策 まとめ】
●1日20分、早歩きをする
●温めたミルクや紅茶にシナモンやしょうがを入れて飲む
●部屋の中は「少し寒く」が基本
※女性セブン2018年1月1日号
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