医師へのお礼は必要?知っておきたい病院との付き合い方Q&A
病気の時にしか接することのないドクターとうまく意思の疎通ができず、不安や不満を抱えてしまう場面が増えている。具合の悪さや不安な上、慣れない医療用語に戸惑い、聞きたいことが聞けずもんもんとしてしまう人が多いのだ。いざその時に困らないためのコミュ二ケーション術を、事例をもとに専門家に聞きました。
【回答者】
●豊田剛一郎さん/東京大学医学部卒業後、日米で脳外科医として勤務。現在、オンライン医療事典などの運営を行う『メドレー』の代表取締医師
●山口育子さん/認定NPO法人『ささえあい医療人権センターCOML(コムル)』理事長。多くの患者からの電話相談を受けている。
Q:「急性期病院は2週間しか入院できないのですか?」
A:「病院にはそれぞれ特性があることを理解しましょう」
M和さん(患者):80才の母が脳梗塞で倒れて入院。しかし、「ここは急性期病院なので2週間後、症状が落ち着いたら別の病院に転院してもらいます」と言われました。今の先生は優しいので、ずっと見てほしいのですが…。(53才・主婦)
豊田さん(医師):急性期病院は、緊急もしくは重篤な患者に対して検査、手術、治療、入院を専門的に行うところなので、目安として10~20日の入院が基本。その後は転院を勧められます。特に高齢者の場合、症状が安定したら早くリハビリをしないと寝たきりになってしまうので転院を勧めます。
急性期の次は、理学療法士など専門のスタッフがサポートしてリハビリを行う回復期向けの病院か、症状は安定していても、まだ入院治療が必要な場合や要介護の人向けの専門病院へ転院します。病院にはそれぞれ特性があることを理解しておきましょう。
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転院を勧められるのは、その病院を追い出されるのではなく、次の治療に進むためと心しておこう。