おしゃべり好きな女性 男性よりのどが強く誤嚥しにくい傾向
食べ物や液体が、本来流れ込むはずの食道ではなく、気管内に侵入することを「誤嚥」(ごえん)と呼ぶ。元気な人なら咳込んで外に出すことができるので問題ないが、高齢者や、体力や免疫力が落ちている人は、食べ物や唾液が肺に侵入し、細菌が繁殖して炎症を起こし、肺炎になってしまう。肺炎で亡くなる高齢者の約7割が誤嚥性肺炎なのだという。
のみ込む力を鍛えれば寿命が延びる
約1万人の嚥下障害の患者を治療し、発売3週間で約20万部を記録している話題のベストセラー『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)の著者であり、耳鼻咽喉科専門医の西山耕一郎さんは、「自覚症状はほとんどありませんが、のどの衰えは40代頃から始まっています。でも、のみ込む力を鍛えれば、寿命を数年~10年延ばすことができますよ」と語る。
神奈川県内にある総合病院リハビリテーション科に勤務する言語聴覚士・金井枝美さんは30年間、嚥下障害のある患者と接しているが、誤嚥しやすい人は、女性よりも男性に多いと分析する。
「女性のほうがおしゃべり好きな人が多いからか、男性よりも普段からのどをよく使っているようです。たとえば、寡黙な男性は、定年退職をした後、同時に話す機会も減ってしまい、のどをあまり動かさなくなってしまいます。そのため、のみ込む力が衰えるのが女性よりも早いように感じます」
歌が好きな人なら、家族や友達とカラオケに行って、楽しく発声するのもとても効果的。普段から積極的にのどを動かすように意識するだけでも、のどのトレーニングになるという。
※女性セブン2017年7月20日号