自律神経失調|原因と症状、解消するための朝の5つの習慣
介護中は、「睡眠時間をとっているのに眠い」「休息をとっても疲れが抜けない」そんな体の不調に悩まされることがある。ほかにも、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、便秘や下痢など、病院へ行くほどではないけれど、いつもどこか調子が悪く、気分が滅入ると嘆いている人は、実はとても多いという。
いわゆる「不定愁訴」と呼ばれる何となく不調の多くは、自律神経の乱れによって起きていると語るのは、医療法人永光会理事長で医学博士の新井幸吉さんだ。
新井さんは簡単に行える「自律神経の整え方」を提唱し、最小限の薬で辛い症状を癒す「最高のかかりつけ医」と呼ばれる存在である。近著『生涯健康に暮らしたければ 「自律神経」を整えなさい』(幻冬舎)より、病院に行くまでもないのだけれど、辛い症状を何とかしたい人にとって必見の「自律神経の整え方」を教えてもらった。
* * *
体を操る「縁の下の力持ち」が自律神経
自律神経は身体を裏でこっそり操る役目をする神経です。私たちは呼吸や消化を意識しては行っていません。眠っている間でも息はしますし、血流が止まることもありません。無意識のうちに身体をコントロールする、縁の下の力持ちのような存在が自律神経であると考えてください。
自律神経の働きは脳の間脳が多くを担っていて、「交感神経」と「副交感神経」というふたつの神経から成り立っています。簡単に言えば、交感神経はアクティブ、副交感神経はリラックスの神経で、環境や時間帯、状況に応じてどちらかが働き、どちらかは力を弱めます。シーソーのようにバランスをとって、状況に応じた身体の働きができるようにコントロールしているのです。
昼間、元気に活動できるのは交感神経が優位になっているからですし、夜ぐっすり眠ることができるのは副交感神経が正しく働いているからです。ところが、夜になっても交感神経が強く働いてしまうと、脳が休めず良い睡眠が取れません。逆に昼間副交感神経が優位になってしまうと、身体がだるくやる気も起きない状態が起きてしまうのです。
自律神経の乱れが引き起こす様々な症状
ふたつの神経が正しく働かないことを「自律神経が乱れる」と表現します。自律神経が乱れたことで起きる症状は多岐にわたり、放置しておくと、命を脅かすような大きな病気に発展していく可能性があります。下の図にあるような症状が出ている方は、自律神経の乱れを疑ってみる必要があるでしょう。
今回は、朝の習慣で自律神経を整える方法を伝授します。「なぜ身体に良いのか」を理解して、毎日続けられるようにしてください