長生きするなら骨を丈夫に!「骨粗しょう症」を予防する食べ物、食べ方を解説
現代は昔に比べて寿命が延びた分、ただ長生きを目指すのではなく、自立して健康に過ごせる「健康長寿」への関心が高まっている。そのためにも気にかけたいのは、体の中でも大事な器官のひとつである体を支える骨。特に女性の場合、50才前後から女性ホルモンの分泌が減少する影響で骨密度は低下していく…。そこで、『病気にならない人は何を食べているのか』 (青春新書プレイブックス)を刊行した管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の森由香子さんに、骨粗しょう症にならない食べ方について話を聞いた。
「寝たきり」を予防するたんぱく質のとり方
高齢者が「寝たきり」になるきっかけとして多い骨折は、カルシウム不足などによる骨粗しょう症が原因として挙げられるが、たんぱく質不足による筋肉量の低下も大きな原因のひとつ。足腰に筋力がないと、転倒しやすく骨折してしまうことにもなる。
たんぱく質は、一部は体外へ排出されてしまうため、毎日摂らないと不足してしまう。そのため欠かさず食べることを推奨したいのが、体の中で合成できない「必須アミノ酸」スコアが100点の肉、魚、卵、大豆製品。それも肉ばかり、魚ばかりに偏らず、この4食品を毎日全て、少しずつ食べる必要がある。それぞれに含まれている栄養素に偏りがあるため、どれかだけでは足りない栄養素が出てきてしまうからだ。
「加齢と共にたんぱく質の吸収率が下がるというデータがありますから、中高年の方は、若い人以上にしっかりとたんぱく質を摂って、筋肉量を保ちましょう。朝食で大豆と卵を食べたら、昼は肉、夜は魚というふうに分けて1日で全てを摂りましょう。カルシウムは、適量のたんぱく質と一緒に摂ると吸収率がアップするので、牛乳もあわせるといいですね」(森さん、以下「」内同)
骨粗しょう症予防に干しシイタケを
料理に旨味を出すシイタケ。時短を考えて、干しシイタケよりも生シイタケを使うことの方が多いかもしれないが、実は干しシイタケの方が断然おすすめだという。
「なぜなら、干すことでカルシウムの吸収を高めるビタミンDが豊富になるからです。同じシイタケでも、生シイタケに比べて干しシイタケには約8倍ものビタミンDが含まれています。歯や骨が弱くなってくる中高年になったら、積極的に摂りたい栄養素ですね。市販品の中には、人工の光で乾燥させたものも少なくありません。それでは期待するほどのビタミンDは含まれていないので、できれば生シイタケを自分で干して使うことをおすすめします」