《1回1分!100均ゴムでOK》無理なく筋肉がつく! 整形外科医考案の「ゆる加圧トレーニング」
無理はしたくないが、筋肉は効率よく鍛えたいというときにぜひ試してほしいのが「加圧トレーニング」。加圧トレーニングは、血液の流れを制限しながらトレーニングをすることで、トレーニングの効果を飛躍的に高めるという。『動ける体が大復活する 1分体操』(アスコム)を上梓した、整形外科医の中山潤一さんは、加圧トレーニングをさらにやりやすくした「ゆる加圧」のトレーニングをすすめている。具体的なやり方を教えてもらった。
効率よく筋肉を鍛えられる「ゆる加圧の片足上げ体操」
効率的なトレーニング法として中山さんがすすめているのが「ゆる加圧の片足上げ体操」だ。
ゴムバンドを太ももにつけて、中山さん考案の「片足上げ体操」をするもので、負担を感じないにもかかわらず、体にはしっかりと負荷がかかり、ゴムバンドなしで「片足上げ体操」をする場合よりも、体操の効果が速く表れるという。
「やり方も、所要時間や回数も片足上げ体操と同じです。それだけなのに、確実に効果が速く出ます」(中山さん・以下同)
「ゆる加圧」のトレーニングで必要なのは3cm幅のゴムバンド
「ゆる加圧の片足上げ体操」に必要な物は、幅3cmのゴムバンドのみ。「平ゴム」や「織りゴム」とも呼ばれる伸縮性のあるゴム紐で、パジャマのウエストなどにも使われている。手芸店のほか、100円ショップや大型スーパーマーケット、ホームセンターなどで購入可能だ。
「ゴムバンドが最も入手しやすいと思いますが、トレーニング用の『ゴムチューブ』や『セラバンド』でも使えます。『タオル』や『手拭い』では、圧が均等にかからないので意味がありません。テーピングに使う『伸縮性テープ』も、伸びすぎてしまうので代用になりません」
ゴムバンドの準備方法
《ゴムバンドの巻き方》
【1】3cm幅のゴムバンドで太ももの最も太いところをぐるりと巻く。
【2】それを二つに折って、長さが半分になるようにし、半分の長さに印をつけておく。
【3】綴じ代を作るために、印をつけた長さより、両端とも長めに切る。
【4】両端を綴じる。綴じ方は、両端を安全ピンで留める、両端を少し重ねて縫い付ける、両端を結ぶの3パターンあるが、綴じやすい方法を選ぶ。
「これで、太ももの周囲の半分の長さの輪ができました。両足分が必要なので、二つ作りましょう」
ゴムバンドを巻いた「ゆる片足上げ+ゴムバンド」のやり方
ゴムバンドができたら、ゴムバンドを左右の太ももの真ん中に着けよう。着けるのは服の上からでも、素肌の上からでも問題ないが、傷やかぶれ、手術痕の上は避けること。また、着けたところがちょっと締め付けられるような感じになっていればよく、ゴムがきつく、太ももの真ん中まで上がらなくても問題ないそうだ。
《ゆる片足上げ+ゴムバンドのやり方》
【1】ゴムバンドをつけて、背筋を伸ばして立ち、足を肩幅に開く。ひざを軽く曲げ、両手は楽な位置に下ろすか、軽く開く。
【2】右足のつま先が5cmくらい床から離れるように右足を上げる。そのまま1分間維持する。
【3】続けて、反対側の足も同じように行う。
【4】すぐにゴムバンドを外す。
「決して着けっぱなしにしてはいけません。鬱血してしまい、危険です。2分間以上は、続けて着けないようにしましょう。体操の回数に達しなくても、ゴムバンドを着けてから2分たったら外します。2分くらい休んだら、また着けて体操を再開して構いません」
ゆる加圧で効果が高まる理由は「酸素」にある
ゆる加圧で体操の効果が早く表れるようになるのは、血液の中に入っている「酸素」に秘密がある。太ももには太い血管が走っているが、ゴムバンドの締め付けで血液の流れが悪くなると、血液中の酸素が十分にいきわたらず、筋肉は酸素を十分に使うことができない「酸欠状態」で動くことになる。酸素が少ない状態になると、体は筋肉の増強に関わるホルモンや成長ホルモンを通常よりも多く出そうとするため、より効率的に筋肉を鍛えることができるという。
また、酸素が少ない状態で運動をしていると、筋肉痛の原因になる「乳酸」が筋肉の中にたまる。乳酸がたまると、体は乳酸を分解しようとするが、酸素が少ない分、通常よりもしっかりと乳酸を分解しようとするそうだ。
「なんとか頑張って『乳酸』を分解しようと、筋肉は効率よく動くようになるので、ゴムバンドを着けないときよりも効率よく筋肉が鍛えられることになるのです」
高地トレーニングと同様の効果がある
マラソン選手などは標高1500~3000mほどの高地でトレーニングを行うことがある。標高の高いところは低気圧・低酸素・低温で、空気の酸素濃度が薄く、体は酸素を取り込みにくくなり、血液中の酸素濃度が低下するためだ。血液中の酸素濃度が低下すると体は酸素不足となり、筋肉の増強に関わるホルモンなどを多く出すようになるが、まさに加圧トレーニングを行った場合と同じ状態だ。
「ですから、『ゆる加圧』には、『高地トレーニング』と同じ効果があるというわけです。それでいて、もちろん『高地トレーニング』ほど大変な思いをすることはありません。『ゆる加圧』をすれば、軽い体操でも、ゴムバンドを着けなかったときの2倍の効果が見込めます」
教えてくれた人
中山潤一さん/整形外科医
なかやま・じゅんいち。中山クリニック院長、医学博士。大阪医大(現大阪医科薬科大学)卒業後、神戸大学整形外科入局。基幹病院で臨床経験を積み、医学博士号を取得後、神戸逓信病院医長、神鋼加古川病院医長を経て、2011年に中山クリニックを開業。有床診療所として年間380件の手術を行い、介護事業も展開するほか、保存療法、再生医療、関節鏡手術、エコー(超音波)治療など幅広い症例を手掛ける。著書に『動ける体が大復活する1分体操』(アスコム)など。YouTubeチャンネル「医師 中山潤一『整形外科・消化器内科』/兵庫県明石市の中山クリニック」(https://www.youtube.com/@nakayama-clinic
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