《「イデオロギーに染まる」のはやってはいけない?》世界的なベストセラー作家が指南する「必要不可欠な幻想」と「不必要な幻想」の違いとは
「イデオロギーはウイルスのように振る舞う。一度感染したら、この伝染病はほぼ手に負えない」
世界40か国以上で累計400万部超の著作を持つベストセラー作家、ロルフ・ドベリ氏は、そう警告する。新興宗教、健康法、政治思想──年齢を重ねるほど、「これこそが真実だ」と信じ込ませる情報に囲まれる。しかし哲学者ダニエル・デネットの言葉を借りれば、「自分の人生を幻想に捧げたことを、礼儀正しく人々に伝える方法など存在しない」。ドベリ氏によれば、「必要不可欠な幻想」と「不必要な幻想」を見分ける方法があるという。
科学的研究に基づき52の「やってはいけないこと」をまとめたドベリ氏の新著『Not To Do List 失敗を避けて、よりよい人生にするためのやってはいけないことリスト』(中村智子・訳、サンマーク出版)から、「イデオロギーに染まる」の章を一部抜粋・再構成してお届けする。
やってはいけない:イデオロギーに染まる
新興宗教に入信しよう。カルトに入ろう。とことんイデオロギーに身を捧げよう。
善、悪、戦争、欲望、誕生、死。そこにはあらゆる疑問に対する答えがある。これこそが、あなたがずっと探し求めていた世界観。
あなたはとうとう見つけ出した。あなたはこれまでの人生で、ありとあらゆる苦難を体験し、乗り越えなければならなかった。そして今、運命があなたに微笑みかけている。
あなたは世の中を真に理解しているごくわずかな人間のひとり。あなたは選ばれし人、悟りを開いた人!
真実の光をまだ見つけていない、そう、永遠に見つけられないであろう無知で哀れな凡人たちを、高みから見物していよう。
さらに、あなたが慧眼の持ち主であることが一目でわかる服や装飾品も手に入れよう。ヒジャブ、スータン、キッパ、人民服、虹のTシャツ、黄色いベスト、トラックの幌で作られたリサイクルバッグ。
あなたの指導者の教え、たとえば「三位一体」とか「輪廻転生」とか「無階級社会」といったことを、まだ理解していなくても心配ない。セミナーやワークショップ、リトリート(心身リフレッシュ旅)といった形で参加すればいい。
預金はすべて寄付すること。特にあなたの人生を新しいコミュニティに捧げよう!
グループの指導的なメンバーになればさらにいい! そうすれば、一日中、カルトのルールを唱えていられる。唱えれば唱えるほど、よりしっかりと頭の中に刻み込まれる。
そして、瞬く間にあなたの脳みそは腐り、不幸な人生になるだろう。
【真のアドバイス】
必要不可欠な「幻想」と、必要ない「幻想」がある
イデオロギー(そして宗教も含む)は、さまざまな考えの寄せ集めでできている。
個別に独立した考え方としては現れない。それらは複雑な思考の形成物で、「真実だから」ではなく、細胞のように分裂し、効果的に自らの複製を作り出して生き残った。
「感染」したら、ほぼ手に負えない
イデオロギーは、自分たちは「科学」よりも多くを説明していると主張する。そのことから、彼らの主張の大部分は「虚構」といえる。
虚構は「実験」で反証するのが不可能だ。
