YouTube登録者数75万人超の僧侶が教える、怒りから解放されるための方法「嫉妬には喜びを」「後悔には反省を」とは?
怒りたくないのに腹が立つことを他人にされたとき、どうするべきか。『その悩み、ほとんどあなたの妄想かもよ?』(アスコム)を上梓した僧侶の大愚元勝さんによると、怒りは自分自身が発生させているものだという。「怒り」とはどういうものなのか、怒りから解放されるために何をすればいいのか詳しく教えてもらった。
教えてくれた人
大愚元勝さん/僧侶
たいぐ・げんしょう。佛心宗大叢山福厳寺住職、慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶、事業家、セラピスト、空手家の顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する。YouTubeのお悩み相談チャンネル「大愚和尚の一問一答」(https://www.youtube.com/@osho_taigu)は、登録者数75万人超。
怒りは自分の心が生み出している
例えば、誰かに裏切られて怒りが生じたとき、「その怒りは『裏切ったあいつのせい』で発生しているのではありません」と大愚さん。裏切りのせいで自分が不利益をこうむったと感じるのは、その人は裏切らない人だと勝手に思い込み、自分に不利益を与えない人だと妄想していたからだという。
「『こうあるべきだ』という自分のなかの価値観や過去の記憶、勝手に信じていること、感じていること、考えていること、期待していたことを、否定されたと思ってしまう──これが、人間の心の中にある怒りの正体です」(大愚さん・以下同)
怒りに燃料投下をしないことが大切
怒りを完全に捨てることはできないが、この「妄想による怒り」は本来不要な怒りのため、とらわれすぎないための訓練は必要だ。特に大切なのは「怒りに燃料を投下しないこと」。ちょっとしたことで口げんかに発展した際、いわゆる「売り言葉に買い言葉」が怒りの燃料となり、話し合いではなくけんかに勝つことが目的となってしまう。
そういったときに意識したいのが、「自分で燃料を投下している状態」になっていることに気がつくこと。そして、気がついたらその場から一度離れることだ。
「相手のいない場所に移ったら落ち着いて深呼吸。すると、さっきまでカッカしていた自分がまるで嘘のように、冷静さを取り戻すことができます。相手もそれは同じ。燃料さえくべなければ、怒りの炎は鎮まるものなのです」
単純作業で怒りから解放されやすくなる
怒りの対象から離れても、じっとしていると怒りの対象のことを考えてしまい、燃料投下が始まってしまうことがある。そうしたときには体を動かすことも効果的だと話す大愚さんは、とくに「掃除」をすすめている。床や机の隅に溜まっているほこりをひたすらきれいにする、服を整理整頓するなど、掃除や片づけに集中して淡々と体を動かすことで心と体が切り離され、余計なことを考えずに気持ちを落ち着かせることができる。
「仕事中であれば、あまり考えずにできるようなルーティンワークに取り組むのがいいと思います。また、水に触れることでも心を落ち着かせることができるので、流水を手で触る、あるいは温かいお風呂に浸かって、リフレッシュするのもいいでしょう」
「好き・嫌い」は「怒り」が生まれやすい
「怒り」が生まれやすい感情や考え方を手放していくことも大切だ。例えば、無駄な「好き・嫌い」の判断も手放すべきものの1つだ。主に他人に対して抱く嫌悪は、持っていても何の役にも立たないうえ、自分の心を重くするだけのため、すぐに捨てたほうがよい。
「自分の命や生活を脅かすわけではないにもかかわらず、その対象に対して生まれた嫌悪であったら、たんなる自分の思い込みと妄想だと考えるようにしましょう」
自分が嫌悪しているものでも、冷静に観察することで、違った側面が見えてくることもある。
「その嫌悪は、自分の思い込みによってもたらされたものであることに気づきます。そして、新たな世界が広がります。ぜひとも、そこを目指してください」
「嫉妬」も強い怒りの感情
「羨ましい」「妬ましい」といった嫉妬の感情も、手放すべき「怒り」の1つだ。ただし、「嫉妬」には、怒りだけではなく、不安や憎しみなどさまざまな感情が複雑に絡み合っており、扱いが難しい感情でもある。しかし、嫉妬に対する処置はシンプルであり、「『他人の喜びに対して、あなたも一緒になって喜んであげること』これが最も効果的です」と大愚さん。簡単なことではないが、意識的に一緒に喜ぶ練習をするのがいいそうだ。
「そもそも仏教では『嫉妬』の反対語が『喜び』なので、『自分ごとのように、本当に喜んであげることを練習しなさい』とブッダも説いていました。嫉妬は怒りの一種であり、毒のひとつですので、ずっと持ち続けると心を破壊していきます」
心の自傷につながる「後悔」も手放す
「後悔」も手放すべきものだそうだ。ブッダも、「反省はしてもいいけれど、後悔をしてはいけない。まったく意味がない」と厳しく「後悔」を諫めたという。同じ失敗を何度も悔やむということは、そのたびに自分の心の傷口を自分で刺しているのと同じことだからだそうだ。
「後悔の念が生まれるのは仕方がないことですが、ただ悔やむのではなく、なぜそれをやってしまったか(やらなかったか)を冷静に分析して、未来につなげる糧として生かそうとする姿勢を持つことは大切です。これは後悔ではなく『反省』であり、ブッダも推奨しています」
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