95才のインフルエンサー飯田美代子さん、美と健康の秘訣「わからないことは徹底的に調べることが脳トレになっています」
シニアインフルエンサーとして活動する飯田美代子さんは、日本の伝統やしきたり、マナーを発信している。戦争を経験し、新聞記者や編集者として激動の時代を生き抜いてきた。そして90才でSNSを始め、95才のいまもひとり暮らしを続けている。元気の秘訣を伺いました。【Vol.2/全3回】
プロフィール/飯田美代子さん
1930年東京都生まれ。美容業界の雑誌編集を経て、婦人画報社に入社。女性誌やブライダル雑誌の編集に長年携わる。和文化や日本のしきたりについて研究を続け、『和婚 -花嫁衣装&和の結婚式新ルール-』(芸文社)など著書多数。90才のときにSNSを開始し、YouTube、InstagramやTikTok など総フォロワー数は45万人以上。「モテるおとな」をテーマにした動画を数々配信し、話題に。
95才のいまも「気楽なひとり暮らし」
――95才、おひとりさまで格好良く暮らしていらっしゃいます。
よくひとりで寂しくないの?って言われることもあるんですけど、全然。気楽なものです。
ご近所さんに恵まれているんです。いまどき珍しいかもしれませんけど、ご近所付き合いがけっこうあるんですよ。頂き物をしたらお裾分けするとか、顔が見えるお付き合いをしているのも安心ですよ。お子さんやお孫さんたちから、『おばちゃん、YouTuberなんでしょ、動画見たよ!』なんて声をかけられることもあるんです。
両親を看取ってから引っ越しをして、駅に近い物件に住み替えました。どこへでも電車に乗って出かけていますよ。
車の免許は80才のときに返納しました。免許センターのかたが『まだ返納しなくても…』と言うんですが、生年月日を確認して『あ、失礼しました。お疲れ様でした』と受理されました(笑い)。
――この先もご自宅で暮らしていきたいですか。
できるだけこの家で過ごしたいですよね。人様に迷惑をかけたくはないですが、なるべく自立していたい。便利なサービスや他人に頼ることも必要かもしれませんが、『やってもらえるからいいか』と他力本願になってしまうのも考えものです。
年齢を重ねて思うようにならないことも増えましたけど、なるべく周りに頼らないでやっていきたい。自分の力を信じて、自分でできることはなんでもやる、そういう気持ちでいますね。
掃除も洗濯も日々の食事も全部自分でやっています。お料理は昔から好きで、煮物などを作りますね。「かくや」をおかずにしてご飯を食べますね。かくやってご存知かしら? 江戸時代のお料理で、東京でも一部の地域しか食べられていようなんですけど。
古漬けを水にさらして、塩気を抜いてから細かく刻んで、木綿のふきんで絞って、おしょうゆをちょっとかけて食べるんです。飯田家に代々伝わってきた味、素朴でおいしいんですよ。
暮らしの中で活用する100円ショップのアイテム
――元気に暮らしていくコツや工夫はありますか?
握力が落ちてきたのか、ビンやペットボトルのフタが開けられないことがあって、友人から便利なものがあるよって教えてもらって、ビンオープナーを活用しています。100円ショップなんかでも売っていますね。
ひとり暮らしですから、フタを開けてくれと頼める人もいませんし、そのために人を呼ぶのも気が引けますよ。だったら便利な道具を使ってなんとかしなくては、と。
一方で、道具に頼りすぎないことも心がけているんです。たとえば、お買い物するときのカート、手押し車みたいになカートをシニアのかたがよく押していらっしゃいますけどね、私は使わないと決めています。カートを押すときに前屈みになるので猫背になりそうだなと思って。なるべく背筋をしゃんと伸ばして歩いていたいんですよ。
95才、美と健康の秘訣は?
――健康のために何かされていることはありますか。
「毎日、朝と夕方に犬の散歩をしているので、日々の運動になっていると思います。
ご近所に犬仲間がいるので、顔を合わせて挨拶するのが日課。愛犬を通じたコミュニケーションも大事なんですよ。犬用のカートを貸してくださったり、「いつもお見かけするのに今日はどうしたのかしら?」なんて心配してくださったり、安否確認にもなっています。
うちのわんちゃんは15才、人間にすると私とほぼ同世代になります。私が先か彼女が先かはわからないけど、私が看取ってあげたいので、元気でいたいと思います。
――美容やファッションで心がけていることはありますか。
おしゃれ心は忘れないでいたいですよね。私は幼い頃から踊りをやっていたので、若い頃から当たり前のように着物を着ていました。戦争が始まってモンペの生活になったときには気持ちが落ち込みました。やっぱり着物を着ると晴れやかな気持ちになりますからね。
美容に関しては、塗るよりも“落とす”ことに注力しています。私はよく『100円で塗って、300円で落とす』と言っているのですが、肌に高級なものを塗り重ねるよりも、クレンジングや洗顔など肌の汚れを落とすものにお金をかけたほうがいいというのが信条です。
肌を美しく健康に保つためには、肌を清潔することが最優先。だから私はお化粧品よりも洗顔石けんにはお金をかけているんです。長年愛用しているのは『アルバコスメソープ清子さん』(アルバコスメティックス/美容室専売品)です。
――普段の生活で健康のために気をつけていることはありますか。
脳が衰えることが一番嫌なんです。だから常に頭を働かせるために、何にでも疑問を持つようにしています。新聞を読んでいて「これなんだろう?」と思うことがあったら、すぐに調べるようにしています。
辞書や専門書、インターネットも使って、気になったことはすぐに調べます。答えが見つからないときは、記事を切り抜いておいて、あとからじっくり調べることもあります。
知らない言葉が出てきたら『まあいいか』ではなく、自分で納得して理解するまでとことん調べるんですよ。編集者時代から身についていることでもあるかもしれませんね。
生活の中で「調べる」ことを続けることで、脳が鍛えられているのかしらね。脳が元気なら体も元気でいられると思うんです。
取材・文/廉屋友美乃
