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暮らし

「1日3回の歯みがきと歯間ブラシ」「座る時間を50分減らす」で血圧が132、血糖値が90台に改善【医師が教える同時に数値を下げるメソッド】

 糖尿病や動脈硬化の原因となる高血圧・高血糖。重大な病気のリスクを避けるには、血圧値と血糖値の両方を管理することが大切だ。「2つの数値は連環しており、同時に下げることが可能」だという。生活習慣病の名医に、薬に頼らず血圧と血糖値を下げるメソッドを教えてもらった。

教えてくれた人

矢野宏行さん/やのメディカルクリニック勝どき院長

共通点が多い血圧と血糖値。生活習慣の乱れで発症するケースも

 心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる重病のリスクを高める生活習慣病。現在、国内の高血圧患者は4300万人、糖尿病患者は予備軍を含め約2000万人と推計されている。両方を持病に抱える人も少なくない。

 いずれの治療も数値を下げる薬の服用をはじめ、食事や運動などによる数値のコントロールが不可欠だが、長年の生活習慣を改め、それを継続するのは思いのほか困難だ。

 しかし、年間延べ7000人以上の生活習慣病患者を診察する矢野宏行医師はこう言う。

「生活習慣を少し変えるだけで、薬に頼らず血圧や血糖値を同時に改善することは十分可能です。これから紹介するメソッドを実践すれば、早い人なら1週間もすればどちらも下がり始めます」

 血圧と血糖値を上げる生活習慣には共通する点が多いと矢野医師は言う。

「糖尿病は高血圧と合併しやすく、どちらも食事、運動、睡眠などの生活習慣の乱れが相互に関係して発症するものです。

 例えば内臓脂肪の蓄積は、血糖値を下げるインスリンの作用が十分に発揮されない『インスリン抵抗性』を引き起こし、糖尿病の原因となります。さらに(インスリン抵抗性により)インスリンが多く分泌されてその血中濃度が高まると、交感神経が優位となり血圧が上がりやすくなる。ということは、内臓脂肪を減らせれば、血圧も血糖値も同時に下げられる可能性があるということです」

「運動不足の解消」と「筋肉量の増加」で血圧・血糖値を下げる

 生活習慣の改善で食事とともに不可欠なのが、運動不足の解消だ。ただし、その実践にはいくつかの注意点がある。矢野医師が言う。

「交感神経が働きだす起床後の数時間は血圧が上昇する時間帯で、起床時は血糖値も高い状態です。起床後すぐの過度な運動は血圧・血糖値を急上昇させるリスクがあるため、散歩など軽い運動が良いでしょう」

 運動のコツは「食後血糖値が上昇する前の食後30分以内」に行ない、「筋肉量を増やすこと」だという。

「血液を送るポンプの役割を果たす筋肉量が少ないと血液循環が悪化し血圧が上がりやすくなります。また筋肉は食後に増えた血糖を真っ先に消費する働きを持ちます。つまり、筋肉量を増やす運動の実践が、血圧や血糖値を下げることに繋がります」(同前)

 ただし、負荷の強い筋トレや動きの激しい運動は血圧を急上昇させる恐れがあるため、避けるべきだという。

「負荷をかけすぎない適度な筋肉運動は、降圧物質が分泌されて血圧が下がるほか、ブドウ糖が消費されて血糖降下作用が期待できます」(同前)

血圧・血糖値を下げる「運動の鉄則3」

【朝】

<1>起床直後は運動をしない(ジョギングやジムでの激しい運動は控える)

【朝・昼・晩】

<2>毎食後30分以内に軽度の筋肉運動をする

<3>簡単で短時間でできる運動習慣を心がける

1日1回でOK!医師考案の3つの体操

 少しでも筋肉量を増やすには背中(広背筋)や太もも(大腿筋)など「大きな筋肉を鍛えるのが効果的」だという。

 矢野医師が考案したのが広背筋を鍛える「バンザイ体操」と「タオル引っ張り体操」、大腿筋を鍛える「もも上げ体操」。

「この3つの体操は簡単ですが、続けると徐々に筋肉が鍛えられ、次第に血液循環が改善し血糖を効率的に消費できる体質に変わることが期待されます。毎食後ではなくても、朝昼晩の食後のどこか、1日1回で構いません。毎日続けるようにしましょう」(矢野医師)

【1】腕を上げるだけ「バンザイ体操」

<1>足を肩幅の広さに開き、背筋をしっかり伸ばす。

<2>手を握り1秒かけてバンザイをする。手を斜め上に上げるのがポイント。

<3>ゆっくり腕を下げながら、肩甲骨を引き寄せるイメージで肘を引く。

<4><1>〜<3>の動作を10回繰り返す。

【2】背筋を鍛える「タオル引っ張り体操」

<1>足を肩幅に開いて立つ。

<2>タオルを肩幅より少し広めに握る。

<3><2>の体勢でタオルを引っ張る動作に合わせて10秒間胸を張る。

<4><1>〜<3>の動作を10回繰り返す。

【3】座ったまま「もも上げ体操」

<1>椅子に腰掛ける。

<2>5秒かけて膝を伸ばす。

<3>座面から太ももが離れるまで足を上げる。太ももを座面より高く持ち上げるのがポイント。

※足を交差させてもも上げするとより効果あり。

<4>5秒でゆっくり足を下げる。

<5><1>〜<4>を片足10回ずつ繰り返す。

歩いて座らない生活で血圧や血糖値を改善

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