シニア世代の《洗濯乾燥機選び》のポイント「縦型よりドラム式のほうが洗濯の負担が減る」理由や選び方を家電の達人が解説
洗濯機のタイプは、縦型とドラム式があるが、シニア世代には実は「ドラム式」がおすすめだと、家電ライターの田中真紀子さん。最新のドラム式洗濯機の中でも、夫婦二人暮らしの場合、どんなものがフィットするのか。チェックすべきポイントや選び方、おすすめの商品について田中さんに教えていただいた。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
縦型にはない「ドラム式」のメリット
洗濯機は、縦型とドラム式があるが、シニア世代はドラム式洗濯乾燥機(以下ドラム式)を使うと、洗濯がラクになったと感じる人が多いという。使い慣れた縦型から、ドラム式に切り替えるメリットは、どんなことがあるのだろうか。
洗濯物干しから解放される
最大のメリットは、洗濯から乾燥までの作業が大きく減ることだと、田中さんは話す。
「ドラム式は、洗濯から乾燥まで一気に行いたい人にとっては、とても便利。縦型にも乾燥機能付きはありますが、乾燥を重視するなら、ドラム式のほうが適しています。
ドラム式は、洗濯物を干す手間や負担が大きく減ります。特に物干し場が2階以上にある場合、水分を含んだ重い洗濯物を持って上がるのは一苦労ですし、転落や転倒の原因にもなりかねません。また、危険な暑さが続く今の時期は、わずか数分でも屋外にいるのはためらわれるでしょう。
ドラム式はこうした一連の作業負担から解放されるため、『こんなにラクになるならもっと早く使えばよかった』といった声がよく聞かれるほどです」(田中さん・以下同)
大きい洗濯物も取り出しやすい
洗濯物の取り出しやすさも、ドラム式ならでは。
「縦型とドラム式では、洗濯物の投入口の位置にも違いがあります。縦型は上に位置するため、洗濯物を洗濯槽の下から上へ引っ張り上げるのに力が必要なケースも。毛布やタオルケットなどの大きい洗濯物や水分を含んで重くなった衣類を取り出す際に、結構な力が必要になります。
その点、開口部が前面にあるドラム式は、洗濯物を手前に引き出すので、縦型の動作よりもラクに取り出せると思います。ただし、機種によっては洗濯物を入れたり取り出したりするときに腰を屈める必要がある場合もありますので、店頭で動作を確認しておくといいでしょう。場合によっては座ったまま作業してもいいですね」
ニオイ対策や除菌効果も
製品によっては除菌効果が期待できる機能が搭載されたものもあるという。
「ドラム式の中には、乾燥時に温風やイオンを利用して除菌ができるものもあります。ニオイや菌が気になる衣服、小物を洗濯せずに清潔に保てるので、衣類ケアの負担も減らせます」
シニア二人暮らしにおすすめのサイズ・機能
高齢世帯は子供も独立し、夫婦2人暮らしとなり洗濯物の量や回数が減ったという人も多いのではないだろうか。その場合の選び方のポイントは?
大物を洗うなら洗濯容量は8kg以上を
まず気になるのが洗濯容量だ。二人暮らしなら省スペースになる小さめの洗濯機を選びがちだが、毛布などを洗いたいなら大容量がおすすめだという。
「2人暮らしなら洗濯容量は7kgもあれば、2~3日に1回の洗濯乾燥でも十分です。ただし、乾燥容量は、洗濯容量の半分ほどになりますので、毛布などの大物を洗いたい場合は、8kg以上を選ぶと安心です」
ニオイが気になる人は「脱臭や洗浄力」を重視して
介護中の人は、ニオイ対策や洗浄効果もチェックしたい。
「尿漏れなどのニオイが気になる場合は、特に洗浄効果を高める機能が搭載されているかを確認しましょう。メーカーによって名称や機能は異なりますが、『泡洗浄』『温水洗浄』『ウルトラファインバブル』『イオン脱臭』などが挙げられます。2度洗いなどの洗濯コースを備えているものもあります」
パネルの操作は直観的にできるか?
操作のしやすさも、シニア世代には重要なポイント。
「ドラム式の中には、操作パネルに細かい文字がたくさん書かれているものもあり、読みづらかったり、操作の手順に迷うことも。液晶パネルに大きな文字でわかりやすく表示されているもののほうがスムーズに使えるでしょう」
アプリ連携は使いこなせる?
最近の洗濯機は上位機種になるとスマホの「アプリ」と連携し、スマホから操作ができるものもある。
「洗濯機のアプリ連携は、結局使わなくなってしまったという声もあります。アプリ連携は、スマホにアプリをインストールして洗濯機と連携させるなど事前設定がシニア世代にはハードルが高いかもしれません。
アプリ連携でできることは、外出先から運転や操作の設定・変更、運転状況の確認、洗剤や柔軟剤の銘柄を指定することで、使用量を自動で計算・自動投入できるなど、さまざまな機能があります。ただ、洗濯そのものの使い勝手が大きく変わるわけではないので、非搭載でも大きな支障はないでしょう」
乾燥方式は2種類「電気代が安いのは?」
ドラム式を選ぶ際、乾燥方式の違いによって電気代が変わってくることに注意が必要だ。
乾燥方式には、主に「ヒートポンプ式」と「ヒーター式」の2種類がある。乾燥の仕上がりと電気代に違いがあるという。
「ヒートポンプ式は、熱交換器で空気中の熱を取り込んで乾燥に使用します。乾燥温度は60℃前後と低めなので、衣類が傷みにくいのですが、カラッと乾くというよりしっとりした仕上がりになります。高温で乾かすヒーター式に比べ、ヒートポンプ式は電気代が大幅に抑えられる傾向にあります。
ヒーター式は、高温風を吹きつけて乾かすため、カラッと乾きます。ヒートポンプ式よりも本体価格は安めですが、電気代は高くなる傾向にあります。毎日乾燥機を使う人は電気代のことも考慮して選ぶといいでしょう。
一例として、同じメーカーの同容量製品で比較した場合、1回あたりの水道光熱費は、ヒートポンプ式が41.1円であるのに対し、ヒーター式は83.5円と2倍以上の違いがあります」
乾燥回数が多ければ多いほど、この価格差は家計に響いてくる。
一方で、「本体価格」はヒーター式のほうが安い傾向にある。そのため、乾燥の使用頻度が低い場合には、ヒーター式を選んでも、水道光熱費などのランニングコストはそれほどかからない可能性もある。ドラム式を選ぶ際には、こうした点も含めて検討したい。