相手が時間に遅れてきたのに逆ギレ…こんな時に言い返さずに穏やかに収められる?人間観察のプロが伝授する6つの“魔法の言葉”
職場で相手から理不尽なことを言われた時、つい感情的になって言い返してしまう──。そうならないように冷静になって、その場を穏やかに収めるには?
複数の上場企業での受付業務の経験を通じて人間観察のプロとなった橋本真里子さんが、感情に振り回されずに安定した態度を保つ技術を説いた『感情の作法』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けします。
教えてくれた人
橋本真里子さん
株式会社RECEPTIONIST 代表取締役CEO。起業家。1981年三重県生まれ。トランスコスモス、USEN、ミクシィ、GMOインターネットなど、複数の上場企業にて受付として勤務。11年間で、のべ120万人以上の来訪者対応を経験する中で、現場の非効率に課題を感じ、2016年にディライテッド株式会社(現・株式会社RECEPTIONIST)を設立。来客対応のデジタル化を推進するクラウド受付システム「RECEPTIONIST」は、現在では年間400万人が利用。業界シェアNo.1を獲得し、導入企業を拡大している。
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感情のリングから降りる魔法の言葉
相手が怒っているなと思った時、心の中で唱えてみると効果的な言葉がいくつかあります。怒りの応酬というのは、お互いが『感情のリング』で戦っているようなもの。一方が感情的になると、もう一方も感情的になり、エスカレートしていく一方です。そこから抜け出すための『魔法の言葉』をご紹介します。
私も、相手が怒っている時は「今は自分も怒りやすいから注意しよう」と思うと同時に、この言葉を唱えています。
・感情のリングから降りる魔法の言葉1「自分もやらないって言えるかな?」
相手が時間に遅れてきたのに逆ギレした。
大事な場面で、あり得ないミスをしたのにふてくされている。
もしくは、八つ当たりのような言葉を投げつけてきた。
そんな時、イラッとして、相手を糾弾したくなります。
でも一瞬だけ立ち止まって、「自分もやらないって言えるかな?」と自問自答してみると、案外楽に感情のリングから降りられます。
「自分もそういう時があったかもしれないな」「今後、自分もやっちゃうかもしれないな」、そう思うと、怒るよりも、別の方法で解決できないかを考えることができるようになります。
私たちは、自分で思っているよりも、意外と不完全な存在です。
相手のミスを咎めた後、自分もミスをしていることに気づくこともあるかもしれません。
そんな時の“前借り”だと思って、怒りを逃がしておきましょう。
・感情のリングから降りる魔法の言葉2「ほかの人が言ってもイラッとするかな?」
ほかにも、戦闘モードの言葉を返す前に、同じことを別の人から言われても同じように感じるかを考えてみるのも有効です。
別の同僚から言われたらどうか?
尊敬する上司から言われたらどうか?
仲良しの友達から言われたらどうか?
大好きな推しから言われたらどうか?
こう考えてみると、実は、相手の言葉や態度に問題があるわけではなく、その人のことが苦手なだけだったり、今は自分の受け取るコンディションが悪かったりするだけかもしれません。
ほかの人に言われたらイラッとしないな、と思えたら、怒りの感情はなくなっていきます。
・感情のリングから降りる魔法の言葉3「今じゃなかったか」「神様がやめろと言っているのかもしれないな」
たとえば、誰かにドタキャンされたり、いいと言っていたことをくつがえされたりした時、ついイラッとしますよね。「なんで? やるって言ったじゃん!」とか「あなたがそう言ったんですよね」と問い詰めたくなります。
でも言い返したところで、相手も「だってしょうがないでしょ」と怒りを返してきて、自分が疲れるだけです。
そんな時、スパッと気持ちを切り替えるための魔法の言葉が「今じゃなかったか」「神様がやめろと言っているのかもしれないな」です。こう考えると未練がなくなり、怒りの気持ちも消えていきます。
ささいなミスをした自分にイラッとすることも、よくあります。
たとえば忘れ物をしてしまったり、オーダーをまちがえて、ほしくないものが届いてしまったり。
そんな時も、「今じゃなかったか」と唱えて、タイミングのせいにしてしまいましょう。