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「家を子どもに残したくない」が約5割 「家を残すことが必ずしも子どものためにならない」という認識広がる【子どもを持つ親500人アンケート】

「せっかく建てた家だから、子どもに残したい」――。そんな考え方が当たり前だったのは、もはや過去の話かもしれない。子どもを持つ親500人への調査で、「家を残したい」と答えたのは約50%。過半数が「残したくない」と答えた。その答えの背景には、相続の負担や価値観の多様化があるようだ。アンケート調査の結果を詳しく見ていこう。

子どもに自分の家を残したい人は48.2%と半数以下

 今回の「今住んでいる家を子どもに残したいかに関する意識調査」は子どもがいる男女500人が対象。

「今住んでいる家を子どもに残したいか」という質問に「思う」と回答した人は48.2%だった。

 家を残したいと思う人が少数派になった背景には、「家を残すことが必ずしも子どものためにならない」という認識が広がっていることもあるだろう。

家を残したいと思う人が大多数「譲ったあとに売って現金化してもOK」という考えも

「今住んでいる家を子どもに残したい」と答えた241人に残したい理由を質問した。圧倒的1位は資産価値がある(44.8%)、2位は住宅費が節約できる(24.9%)と答えた人も多く、「いい条件で、十分に活用できるだろうから残したい」と考えている人が大多数だった。

「子どもが住む場所に困らないように」「子どもの負担を軽くしてやりたい」という親心が見える回答が多い一方、「子どもに住んでほしい」「所有を続けてほしい」と財産として残して欲しい人や「譲ったあとに売って現金化してもOK」という柔軟な意見もあがった。

 意外にも思い入れがあるなど、感情的な面で残したいと考えている人は比較的少なかった。

<1位>資産価値がある

・いずれ栄えてくる場所だと思うので、土地だけでも財産になるから(30代 女性)
・駅近で、間違いなく資産価値はあるから。現金は残せなくても家を残せればいいと思っている(40代 女性)

<2位>住宅費が節約できる

・田舎に家があるため、子どもが住むことを望まなければ売って資産にしてもらってもいい。ただ住みたければローンを払い終わっているころなので、子どもの生活費が浮く(30代 女性)
・子どもの家賃負担をなくしてやりたい(50代 男性)

<3位>立地がいい

・駅から近く通学通勤に便利だから、残したいと思います(30代 女性)

<4位>十分に住める

・まだ建てたばかりで、10年ぐらい経ってもきれいなままだと思うから(40代 女性)

<5位>思い入れがある

・長年住んだ家には、子どもたちの成長や家族の大切な思い出がたくさん詰まっているから(60代以上 男性)

「子どもに負担かけたくない」が家を残したくない理由の上位に

「今住んでいる家を子どもに残したくない」と答えた259人に、残したくない理由を聞いたところ、1位は好きな家に住んでほしい(30.1%)、2位は子どもに負担をかけたくない(23.2%)に。

 子どもに負担をかけることは避けたいという気持ちが強く感じられる結果になった。

 たしかに、家を引き継ぐと住む地域が縛られるばかりか、世帯構成によって住みやすい家も変わる。また、固定資産税や都市計画税、修繕費用など金銭的な負担もかかる可能性もある。

 さらに老朽化や耐震性の問題、子どもの意思を尊重するケースも見受けられた。

<1位>好きな家に住んでほしい

・子どもがどんな職種に就くかもわからないので、あえて子どもに残さないことで、子どもの行動範囲を自由にしておきたい(30代 女性)
・今の暮らしにちょうどよい家だけれど、子どもには子どもの価値観で住まいや環境を選んでほしいと感じているからです(60代以上 男性)

<2位>子どもに負担をかけたくない

・管理が大変だと思うから、売って少しでもお金にしてほしい(20代 女性) 
・子どもが住むころには、家のメンテナンス代がたくさんかかりそうだから(30代 男性)

<3位>立地が悪い

・周りにはバス停も何もなく、駅まで車で15分かかり、交通の便が悪いからです(50代 女性)

<4位>築年数が古い

・家自体がだいぶ古く老朽化しているため、子どもの代まで引き継ぐことが難しい(30代 女性)

<5位>子どもが欲しがらない

・私と夫で間取りなどを決めた家で、子どもは気に入っているかわからないため、家を残すつもりはない(40代 女性)

半数以上が「今住んでいる家をどうしたいか」子供に伝えたいと回答

 最後に、子どもがいる500人に「今住んでいる家をどのように活用してほしいか子どもに伝えるか」と質問したところ、「伝える」と回答した人が57%だった。

 多くの両親が、自宅の将来的な扱いについて子どもに意思を伝えたいと考えており、「相続のトラブルを回避したい」「親の思いを知ってほしい」「あらかじめ子どもと話し合っておきたい」という気持ちがあるようだ。

 住宅は大きな資産であり、管理や処分には大きな手間がかかる。だからこそ、子ども側にも心づもりが必要だ。親世代の意思を早いうちに確認し、対策をしておきたい。

【データ】

<AlbaLink「今住んでいる家を子どもに残したいかに関する意識調査」の概要>

調査対象:子どもがいる人
調査期間:2025年4月23日~27日
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数: 500人(女性367人/男性133人)
回答者の年代:20代:7.2%/30代:45.2%/40代:27.8%/50代:14.4%/60代以上:5.4%

訳あり不動産の情報メディア『訳あり物件買取プロ』
https://wakearipro.com

※AlbaLinkの発表したプレスリリース(2025年5月23日)を元に記事を作成

図表/AlbaLink提供 構成・文/松藤浩一

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