50代以上の「65%が夜中に目が覚める」調査で判明したシニア世代の《睡眠》の悩みと実態
心身の健康と密接に関係する「睡眠」。年を重ねるにつれ、その睡眠に関して様々な問題を抱える人は多いようだ。50代以上のシニア層を対象に行われた睡眠に関する調査では、睡眠時間や就寝・起床パターンを始めとしたシニア世代の睡眠の実態と課題が明らかに。悩みの原因や改善策なども合わせて調査結果をレポートする。
睡眠の悩み「中途覚醒」が重要な課題に
一般的に、年齢により睡眠は変化していき、加齢に伴って睡眠時間が短くなり、眠りの質も浅くなっていく傾向があると言われている。実際、寝つきの悪さや夜中に目が覚めてしまうといった悩みを持つ人も少なくないのではないだろうか。
そこでコスモヘルスの運営するシニア専門のマーケティングプラットホーム『コスモラボ』は、50代以上のシニア層を対象に「睡眠」に関する調査を実施。睡眠時間や就寝・起床パターン、睡眠の質、悩みの原因、改善策など、多角的な視点からシニア世代の睡眠の実態と課題を明らかにした。
現在の睡眠時間はどのくらいですか
まず、睡眠時間について尋ねたところ、「6~7時間」(35.1%)が最も多く、次いで「5~6時間」(28.3%)、「7~8時間」(14.0%)と続いた。全体の約7割が6~7時間前後の睡眠を確保しており、平均的な睡眠時間を維持している様子が窺える。一方で「5時間未満」も14.3%存在し、睡眠不足に悩むシニアも少なくないようだ。
普段の就寝時間を教えてください
次に、普段実際に就寝する時間についての質問を行った。すると「23時台」(31.6%)が最も多い結果に。2位に「22時台」(27.8%)、3位に「24時台」(13.7%)と続き、シニア層の多くが22時から24時の間に就寝しており、比較的早い時間帯に休息を取る傾向が窺える。一方で「24時以降」も合計で19.3%存在し、夜型の生活を送るシニアも一定数いることが判明した。
理想の就寝時間を教えてください
続いて、理想とする就寝時間について尋ねたところ、「22時台」(46.8%)が圧倒的に多く、2位は「21時台」(22.0%)、3位は「23時台」(21.9%)となった。前問の実際の就寝時間と比較すると、「22時台」を理想とする割合(46.8%)は実際に22時台に就寝している割合(27.8%)を大きく上回っており、より早い時間に就寝したいという願望が強いことが窺える。
睡眠の質についてどう感じていますか
また、睡眠の質について尋ねたところ、1位は「普通」(35.9%)だった。2位には「やや悪い」(27.8%)、3位には「やや良い」(19.8%)が続き、「非常に良い」(10.6%)と「非常に悪い」(5.9%)は少数派となっている。「やや悪い」と「非常に悪い」を合わせると33.7%となり、3人に1人が睡眠の質に何らかの不満を感じていることが判明した。
睡眠の質についてどう感じていますか
また、睡眠の質について尋ねたところ、1位は「普通」(35.9%)だった。2位には「やや悪い」(27.8%)、3位には「やや良い」(19.8%)が続き、「非常に良い」(10.6%)と「非常に悪い」(5.9%)は少数派となっている。「やや悪い」と「非常に悪い」を合わせると33.7%となり、3人に1人が睡眠の質に何らかの不満を感じていることが判明した。
睡眠について悩みがありますか
続いて、睡眠への悩みについて質問を行った。最多の回答は「やや悩みがある」(31.8%)となり、「あまり悩みがない」(21.3%)、「どちらともいえない」(19.6%)が続いた。注目すべきは、「やや悩みがある」と「悩みがある」を合わせると44.0%と半数近くに達する点だ。この結果は前問での睡眠の質に対する評価と整合性があり、質に不満を感じている層が具体的な悩みも抱えていることが窺える。
睡眠の悩みがあれば教えてください
次に前問で「睡眠について悩みがある」と回答した人を対象に、具体的な睡眠の悩みについて尋ねたところ、「夜中に目が覚める」(65.4%)が圧倒的に多い回答となった。2位には「眠りが浅い」と「寝つきが悪い」が共に35.3%で続いた。特に中途覚醒の問題が際立っており、これはシニア層に特有の睡眠パターンを反映している。加齢に伴い睡眠が浅くなる生理的変化や、夜間の排尿増加なども影響していると考えられる。
睡眠の悩みの原因として考えられることを教えてください
続けて同じく「睡眠について悩みがある」と回答した人を対象に、その原因への心当たりについて質問を行った。最も多く挙げられたのは「ストレス」(47.4%)で、「加齢」(45.7%)、「運動不足」(38.4%)、「生活習慣の乱れ」(17.7%)、「手足の冷え」(13.5%)と続いた。心理的要因と生活習慣的要因が密接に関連していることが窺える。
特に、ストレスが睡眠に与える影響の大きさが顕著で、心の状態が身体の休息に直結していることが示されている。「加齢」も45.7%と2番目に多く、加齢に伴う自然な睡眠パターンの変化を自覚している層も存在しているようだ。また、運動不足も高い割合を占めており、日中の活動量と睡眠の質の関連性が認識されている。
睡眠のために気を付けていることはありますか
次に、睡眠改善のために気を付けていることについて尋ねたところ、「規則正しい生活を心がける」(47.6%)が最も多い回答となった。2位以下には「湯船に浸かる」(40.4%)、「カフェインを控える」(29.9%)、「睡眠環境(音・光・温度)を整える」(28.9%)、「適度な運動」(24.9%)と続いている。基本的な生活習慣の改善と入浴による身体のリラックスが主な対策として実践されており、特に規則正しい生活リズムへの意識が高く、睡眠の質向上には生活全体の安定が重要であるという認識が窺える。
「睡眠の改善」を目的として購入したことがあるものをお選びください
また、睡眠改善のために購入したことがあるものについての質問には、「枕」(46.4%)という回答が最も多く寄せられた。2位には「敷布団・マットレス」(33.0%)、3位には「掛布団・毛布」(17.3%)と続き、寝具類への投資が中心となっていることが窺える。特に頭部の安定や快適さを重視した「枕」への関心が高く、その理由には首や肩の凝りが睡眠に影響するシニア層の身体的特性が反映されていると考えられる。
睡眠改善の取り組みとして、1回で使っても良いと思う予算はいくらですか
続いて、睡眠改善の取り組みへの予算について尋ねた。その結果、「5,000円未満」(54.0%)が過半数を占め、「5,000円~10,000円未満」(30.9%)、「10,000円~3,0000円未満」(11.4%)と続いた。比較的低予算の範囲での改善策を望む傾向が強く、8割以上が10,000円未満の予算を想定している。この結果からは、高額な専門的機器やサービスよりも、手頃な価格で日常的に取り入れられる対策が好まれていることが窺える。
睡眠に関する情報で知りたいことは何ですか
最後に、睡眠に関する情報で知りたいことは何かを尋ねたところ、「良質な睡眠を取るための習慣」(52.1%)へのニーズが最も高くなった。「手軽に睡眠の状態を調べる方法(睡眠の質、リズム、いびきの有無)」(35.7%)、「睡眠の質を向上させる食事」(31.8%)、「快眠グッズ・寝具の選び方」(21.0%)も多く挙げられ、日常生活に取り入れやすい習慣や方法への関心が特に高く、実践的かつ具体的な情報が求められていることが判明した。そして、自身の睡眠の質を客観的に評価したいというニーズも窺える。
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以上の調査結果から、シニア層の睡眠事情と改善への意識が明らかとなった。6~7時間の睡眠時間が最も一般的である一方、理想と現実の就寝時間には明確なギャップが存在し、特に「22時台」の就寝を理想としながらも実現できていない現状が浮き彫りとなっている。
睡眠の質については3人に1人が不満を感じており、具体的な悩みとして「夜中に目が覚める」が圧倒的に多いことが特徴的だ。この背景には「ストレス」や「運動不足」といった現代生活の課題が大きく関わっており、心身の状態と睡眠の質の密接な関連性が示されている。
改善策としては「規則正しい生活」や「湯船に浸かる」といった基本的な習慣を重視する傾向が見られ、物理的な対策としては「枕」や「敷布団・マットレス」といった寝具への投資が中心となっている。予算感としては「5,000円未満」が過半数を占め、手頃な価格での実践的な対策が望まれている。
これらの結果は、シニア層が睡眠の重要性を充分に認識しながらも、加齢に伴う自然な変化と日常生活のストレスの間で最適な睡眠を模索している姿を映し出している。「良質な睡眠を取るための習慣」への高い情報ニーズからも、より効果的で持続可能な睡眠改善策を求める積極的な姿勢が窺えると言えるだろう。
人生100年時代、健康な心身を長く保っていくためにも、あなたもこれを機に自身の睡眠について見つめ直してみてはいかがだろう。
【データ】
コスモヘルス
https://www.cosmohealth.co.jp/
コスモラボ
https://cosmolab.jp/
【2025年版】シニア層の睡眠実態と改善意識調査レポート
https://cosmolab.jp/report/sleep_2503/
【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
調査地域:全国
調査対象:『コスモラボ』のアンケートモニター
回答総数:658
調査期間:2025年3月26日
※コスモヘルスの発表したプレスリリース(2025年5月19日)を元に記事を作成。
図表/コスモヘルス提供 構成・文/秋山莉菜