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介護生活をもっとラクに!花王が「ブランド横断型の商品包括提案」にかける想いと新たな販売店との取り組み【想いよ届け!~挑戦者たちの声~Vol.3中編】

 働きながら介護をする人たちはとても忙しい。「これまで大変だった介護生活が少しでもラクになるように」。そんな想いから、さまざまな日用品アイテムを販売する花王が新たな取り組み「介護に花王のできること」をスタートさせた。「介護」という社会課題に、花王だからこそできることを新たな視点で提案するこのプロジェクトの旗振り役となったブランドマネジャーに具体策を聞いた。

挑戦者たち/プロフィール

花王・佐鳥翼(さとり・つばさ)さん/ヘルスケア部門や飲料、ホームケア事業部などでマーケティングに従事。現在はハイジーンリビングケア事業部門・サニタリー事業部で大人用紙おむつ「リリーフ」のブランドマネジャーを務める。趣味はゴルフ、ジムで走ること

視点を変えて商品の使用提案をする戦略

「介護シーンにおいて、視点を変えることでより多くの商品が役立つのではないか。我が社の多様な商品群を『介護生活のサポート』という視点で総合的・包括的にくくり、商品を提案できないかと考えました」

 花王のサニタリー事業部でブランドマネジャーを務める佐鳥翼さんは、同社始まって以来の挑戦について、静かに語る。

 介護生活の中で大人用紙おむつを購入する人に対し、別ジャンルの商品も提案するという取り組みが、佐鳥さんの属するチームの旗振りで動き出すこととなった。2025年春に始動した新たな取り組みのコンセプト、それが「介護に花王のできること」である。

確かな想い「ステートメント」を掲げ社内を説得

 取り組みの肝は、ブランドをまたぐカテゴリー横断型である点だ。

 佐鳥さんがこれまで手がけてきた大人用紙おむつなど介護される人が必要とする商品以外のカテゴリー、例えば洗剤や消臭剤、掃除などの家事回りの商品のほか、シャンプーシート、歯みがきシートといった衛生面のケア商品、さらには入浴剤、アイマスクなど介護生活に休息をもたらすアイテムも含め、異なるブランド部門の協力を得て、密に連携しながら進めていく必要があった。

 大企業ともなれば、いくつもの部門が縦割りで動いていることも多いだろう。部門連携において、どれほどの手を尽くしたのかと聞いてみると、佐鳥さんは「とくに大きな障壁はなかった」と涼しい表情で応えた。

「介護する人・される人、双方のQOL向上につながる情報発信や提案を、カテゴリー横断型でできないか、これが僕らの考える新しい商品提案の形です。

 まずこのプロジェクトを始めるにあたり、ステートメント(想い)をしっかり打ち出しました。『花王の想い』としてウェブサイトにも全文を載せていますが、これまで大変だった介護生活が少しでもラクになるような、頼れる商品を届けたいと願っています。

 大人用紙おむつのブランド『リリーフ』のチームの僕らが、まったく関係ないと思われていたブランドの担当者を口説いて回ったわけですが、ステートメントに共感してくれて。みんな快諾してくれました」(佐鳥さん、以下同)

次々と生まれる「新しい使い方」

 たとえばシューッと泡の出るスプレーをするだけでこすらずに風呂掃除ができる洗剤『バスマジックリン エアジェット』は、風呂を簡単にキレイにしたい人をメインターゲットに訴求する。しかし風呂掃除は、介護生活においても大変な作業だ。忙しい介護生活において、いちいち腰をかがめて、スポンジでこすり洗いをすることなく掃除が終えられるというニーズにもフィットする。

「お風呂掃除用の洗剤は、子育て中のファミリーを想定したCMであることが多く、なかなか介護生活とは結びつきにくいですよね。それが『介護のある暮らしに花王のできること』のコンセプトを通すことで、新たなブランド価値を打ち出せると思うんです。『介護生活』という視点で商品を捉え直すことで、新たな需要が生まれるということです。

 また、比較的若い人向けに訴求していたドライシャンプーシートは、毎日入浴ができない介護が必要な人にも使っていただけます。必要とする消費者に必要な情報を届けられるようになるんです」

消費者のメリット、現場の販売戦略とは

 商品を消費者の手に取ってもらうには、消費者に対し実際に販売する流通・小売など社外の協力も不可欠だ。

「コンセプトを提示しただけでは絵に描いた餅にすぎません。介護生活に悩む人に、その大変さを少しでもラクにできる商品があることを知ってもらい、手に取ってもらうこと。消費者との現実的な接点は店舗さまですので、この取り組みに流通も巻き込み、共感を広げることを考えました。

 販売施策としては、まずは営業メンバーにコンセプトを理解してもらい、そこから販売店への提案活動をスタートしています。営業部門の人たちもすごく協力的で、『こういう提案がしたかった』と、売り場と直結している彼らの声はとても心強い。

 あるドラッグストアチェーンの販売分析によると、介護世帯では大人用おむつだけでなく台所用や住居用、衣料用洗剤といった日用品の購入金額も高いことがわかったんですね。今後、『リリーフ』を購入したお客様が、介護に役立つ他の当社商品もお得に買えるようなキャンペーンを仕掛けるなど、いくつかの販売施策を計画しているところです』

介護のある暮らしの家計を応援

 ほかにも“花王×介護”の視点で売り場をまとめたり、チェーンストアのアプリや店頭ポスター、チラシ等を駆使したりとアイデアはさまざまに広がっているという。

 各チェーンでも介護生活における介護用品+日用品の支出額の多さというビジネスメリット拡大への期待や、それ以前に介護分野に対する使命感・課題意識の高まりが見られ、いわゆるWIN-WINの動きにできる感触を佐鳥さんは抱いている。

 介護生活をラクにしてくれる、そして、それらの商品をお得に買える仕掛け――。店頭で実施される日が待ち望まれる。

■介護に花王のできること
https://my.kao-kirei.com/kaigo/

撮影/柴田和衣子 取材・文/斉藤俊明

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