ケアマネジャー「資格更新制度」の見直しを検討 ケアマネの負担軽減が狙い
ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新制度に対し「廃止すべき」との声が現場から上がる中、日本介護支援専門員協会(以下、ケアマネ協会)は、廃止の是非について詳細な検証を進める方針を示した。同協会の柴口里則会長は10月26日の記者会見で、「専門職としての在り方を考え、負担軽減だけでなく役割の本質を見据えた検討が必要だ」と述べた。現行制度では、ケアマネジャーは5年ごとに法定研修を受ける必要があるが、厚生労働省も人材不足や現場の負担を考慮し、研修の負担軽減を進めている。
資格更新制度と厚労省の見直し
ケアマネジャーの資格更新制は、5年ごとに研修を受講する仕組みで、スキル維持とサービスクオリティの確保が目的とされている。一方、更新制度が現場の負担になっている実情も無視できない。厚労省は研修のオンデマンド配信や柔軟な受講スケジュールの導入など、負担軽減を検討中だ。
先日の衆院選では、国民民主党が「資格更新制の廃止」を公約に掲げ、業界の注目も集めたことも記憶に新しい。
ケアマネジャーの従事者数減少傾向に歯止めはかかるか
資格更新制度の見直しをすべきという意見の背景には、ケアマネジャーの従事者数が減少傾向となっていることが大きい。2018年度の18万9754人をピークに、2022年度は18万3278人となった。ケアマネジャーの実務研修受講試験には5年の実務経験が必要なこととあいまって、今後“なり手不足”が予想されている。資格更新制度をなくすことで、現場の負担を軽くするとともに、ケアマネ不足になることを避けたいという意図がある。
一方で、ケアマネ協会としては、処遇改善や専門性向上につながるかという観点で、慎重に議論を進めていくことになりそうだ。
構成・文/介護ポストセブン編集部