「慢性膵炎の母、人生の節目に食べたアジフライを年1回のご褒美に!」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第32話
漫画家のうえだのぶさんの母は、膵管に石ができ、原因不明で完治もしないという「慢性膵炎」を抱えている。「元気なうちに人生を楽しもう」と決意したものの、白内障の手術をきっかけに、一気にフレイルが加速してしまい…。母の介護を覚悟したのぶさんがとった行動は?
母の介護に備え自分の生活をチェンジ
デビューしてからずっとまんがやイラストを描き似顔絵などのイベントをして、1日24時間をフルに自分のために使って生きてきましたが、昨年秋に「母のお世話」が入って一気に身動きが取れなくなってしまいました(介護あるあるですね)。
一番キツかったのが定期的にやっていた似顔絵イベントやまんが教室です。長く続けてきて、愛着もやりがいもあったのですが、準備の時間が取れず、徹夜で当日フラフラ、なんてことも。
今は仕事よりも母の世話を優先させるべきかも…と悩んだ末に、一旦イベントのお仕事は終了することにしました。自分の生活時間や体調をしっかり整えて、介護に備えておきたいと思ったのでした。
母のケアと並行して働ける場所は?
そんな時、偶然ネットで、家から近くて一般の人が出入りできない場所でイベントの経験が生かせて、1日4時間だけでできる仕事を見つけたんです。
1日4時間なら残り20時間は自由に使えるじゃん。介護しながらイラストやまんがの仕事もできるじゃん!
何の確証もないけど、これがベストだ、チャレンジしたい、と思いました。
人生の曲がり角のアジフライ
昨年の食事日誌を見ると、ちょうど今の時期に母を連れて道の駅に行き、禁断のアジフライを食べています。急にヨレヨレになった母を励ますために出かけたんだと思います。
その翌日、私は履歴書用の写真を撮りに行き、次の日に面接を受けています。
母にとっても私にとっても「人生の曲がり角」のアジフライでした。
肝心の母ですが、毎日あちこちの病院に通っているうちに1年かけて少しずつ元気になっていくのですが、その経緯は後日お伝えします!
そして、今月母は82才を迎えました。
先日、母の誕生日の後に去年と同じ道の駅に行ってきました。
来年の今頃はどんな風になってるかなあ。
願わくば今年と同じように、熱々のアジフライが食べられますように。
NO老いるMemo「衣で変わる油の量」
一口に「揚げ物」と言っても、衣によって油の量が変わります。
衣の量が多くなると油の量も多くなります。 素揚げ<唐揚げ<天ぷら<フライ の順。
唐揚げは、片栗粉の方が小麦粉より、油を吸う量が少ないそうですよ。
ちなみに脂質1食10gが目安のわが家では、基本的に揚げ物の衣は、「全脱がし」です(ビシッ!)
お医者様には「時々なら揚げ物を食べていいですよ」と言われているので、年に1度だけは衣はそのままに、特別なことがあった時だけ美味しいお店にフライや唐揚げを食べに行きます。
揚げ物=我が家のイベントです♪
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で82才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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