生野菜で食中毒に!?野菜の正しい洗い方|ブロッコリーは逆さに、レタスは芯をくり抜いて
7~9月は1年のうちで最も食中毒が発生しやすい時。食中毒というと生肉や生魚を思い浮かべる人が多いかもしれないが、野菜がかかわる食中毒は意外に多い。というのも、野菜についた土にはたくさんの微生物や食中毒菌が付着しているからだ。夏は生野菜がおいしい季節。だからこそ、汚れはしっかり落として、安心・安全に旬の味覚を味わいたい。
生野菜が原因の食中毒が頻繁に発生
2018年5月以降、埼玉県、東京都、茨城県、福島県で報告された腸管出血性大腸菌(0157)による食中毒・感染症の事案のうち、複数の事案で、葉物野菜“サンチュ”が共通で食べられていた(※)。
※神奈川県健康医療局生活衛生部生活衛生課による発表。
生野菜による食中毒は毎年発生している。その原因は、野菜そのものではなく、野菜に付着した“土”のケースが多い。野菜を加熱や発酵させず生のまま食べると、土に含まれる微生物や食中毒菌を取り込む危険性が高いのだ。
野菜の汚れというと、農薬を気にする人も多いが、食中毒による命の危険性を考えると、土などの汚れにも気をつけた方がいい。
きゅうり、葉物野菜に食中毒が発生しやすい
食中毒が発生しやすい野菜として、葉物野菜やきゅうりなどがあげられる。
「ギザギザした部分、茎(くき)の分かれ目、葉や茎の重なり、根元などに土は残りやすいですね」
とは、管理栄養士の岸村康代さんだ(「」内以下同)。
きゅうりは表面のイボに汚れがたまりやすいので、さっと洗い流すだけでなく、しっかりとこすり洗いをしよう。ただし、洗いすぎると栄養分まで流れ出てしまうこともあるので注意が必要だという。
「野菜は水分に弱く、水がついている部分から劣化していきます。ですから、毎回使う分だけをカットしてから洗うのがおすすめです」
野菜を洗う場合、ボウルなどに水をためて野菜を入れ、流水で流すのが基本。流水だけで洗うより、細かい汚れがため水の中に流れ出てきやすいからだ。
今回は、汚れが落ちにくい野菜ごとに正しい洗い方を詳述する。早速試してほしい。
野菜別正しい洗い方
●キャベツ
キャベツは外側の葉の根元部分に土や汚れが残っていることが多いので、そこを重点的に洗おう。逆に、内側の葉はあまり汚れていないので軽く洗うだけでもよい。ロールキャベツなどで葉を丸ごと使う場合は、外側から1枚ずつはがし、根元を中心に洗うのがおすすめ。使う分だけカットする場合は、断面に流水をあて、葉と葉の間に水が入るようにして洗うとよい。
●レタス
レタスは水分に弱く、水をつけたままにしておくと傷みやすいので、使う分だけ洗うのがおすすめ。丸ごと1個使う場合は、包丁で芯をくり抜き、くり抜いた穴の中を流水で洗う。こうすることで汚れも取れるほか、葉がはがしやすくなる。少量しか使わない時は、外側から1枚ずつはがしてから洗う。包丁で切ると、切った部分から劣化していくので手ではがすのがポイント。
●ブロッコリー
小さなつぼみの中の汚れを取るには、水をためたボウルにつぼみを下にして入れ、水の中で振りながら洗うのがおすすめ。つぼみの中に入り込んだ汚れが流れ出てくる。小房に分けた場合も、ため水につけて洗うこと。どちらも、最後は流水で流す。
●ほうれん草
茎が重なった部分に土が残りやすいので、根元を開くように広げて流水をあて、中の汚れを洗い流す。根の生えた硬い部分は、丸めたアルミホイルで軽くこすると、余分な根や汚れが取れる。こうすれば、栄養価は高いが捨ててしまいがちな根元まで食べられる。
●きのこ類
しいたけなどのきのこ類は、香りが飛んでしまうので水洗いはしない方がいい。汚れは、キッチンペーパーや柔らかい布で軽くふいて取ろう。ただし、なめこは酸味を取るため、流水で軽く洗うこと。マッシュルームも生で食べる場合は流水で軽く洗う。
●豆苗などのスプラウト
市販されているスプラウト類のほとんどは、工場で生産されているので、基本的には洗わずに使える。気になる場合や、種の殻を取り除く場合は、スポンジを切り落としてからため水と流水で洗う。
イラスト/オモチャ
※女性セブン2019年7月18日号
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