レモンが健康に役立つ9つの理由|医師が推奨する1日2個のレモンが丸ごと食べられるレシピ
暑くなるとなぜかレモンを食べたくなりませんか? それは気のせいではなく、実は体からのサイン。夏バテした体が、疲労回復に役立つクエン酸を欲しているから。そう、レモンにはクエン酸がたっぷり!ほかにも、健康効果の高い栄養素が盛りだくさんなのだそう。とはいえ、酸っぱすぎて、一度に何個も食べられませんよね。そこで今回は、レモンをたっぷり摂りやすい主食のレシピを紹介します。
教えてくれた人
イシハラクリニック副院長・医師 石原新菜(にいな)さん
漢方医学や自然療法、食事療法を活用した診療を行う。メディア出演や講演会も行う。近著に『1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法』(日本文芸社)。
料理研究家 舘野鏡子さん
料理番組『きょうの料理』(NHK)の料理アシスタントを経て独立。レモンの一大産地、広島の大崎下島にクッキングアトリエを持つほどレモンを愛する。YouTubeで「舘野レモンチャンネル」を配信。
国際中医薬膳師 大友育美さん
フードコーディネーター。自然食レストランでの調理担当を経て独立。家庭でも取り入れやすい薬膳レシピを独自に開発し、テレビや書籍、雑誌など、幅広い分野で活躍中。新刊『おくすり晩酌』(ワニブックス)など著書多数。
一度にたくさんより少量をこまめに!
「健康効果を期待するなら、レモンは1日2個以上摂るのがおすすめです」
と医師の石原新菜さん(「」内以下同)。近年の研究でわかったレモンの健康効果については上記に詳述したが、酸味の強いレモンを2個以上食べるのはきつそうだ。どう摂ればよいか。
「ビタミンCなどの水溶性栄養素は尿ですぐに排出されるため、体内に留めておくにはこまめに摂ることが大切。酢の代わりに料理で使ったり、ジュースやスイーツにするとよいでしょう」
医師が太鼓判!生活習慣病予防から美容効果まで『レモンの健康効果9』
クエン酸に食物繊維、ビタミンCをはじめ、さまざまなポリフェノールも含むレモンは“栄養素の宝箱”。その健康効果とは―― イシハラクリニック副院長の医師・石原新菜(にいな)さんが毎日摂るべき理由を解説します。
1. 血管を丈夫にし、血圧を下げる
「レモンに豊富なビタミンCには、コラーゲンを生成して血管を丈夫にする効果が、クエン酸には血栓をできにくくする効果があります。さらに、血圧降下作用があるルチンや、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を防ぐエリオシトリンも豊富です」(石原さん・以下同)
2. 血糖値や中性脂肪を下げる
血糖値を下げダイエットに有効な成分も。「食後血糖値の急激な上昇を抑えるペクチンや中性脂肪を減らすヘスペリジンも豊富」。
3. 腸を元気にして免疫力をアップする
水溶性食物繊維の一種・ペクチンは、善玉菌を増やして腸内環境を整え、免疫力を上げる効果が。「レモンの薄皮にはこのペクチンが豊富。便秘に悩んでいる人は意識して摂取を」。
4. むくみを軽減する
「ポリフェノールの一種・ヘスペリジンが、腎臓の酵素に働きかけナトリウムイオンの量を調整。むくみを軽減するとされています」
5. 脂肪肝を予防する
皮に多く含まれるエリオシトリンは優秀。「前述の血圧を下げる効果のほか、脂肪肝の予防や、中性脂肪を下げるなどの効果も」。
6. 尿路結石を予防する
「果汁に含まれるクエン酸には、結石の一因であるシュウ酸とカルシウムの結合を防ぐ効果が。またレモンなどの柑橘類に豊富なフラボノイドは、腎臓病の進行を抑制するという研究結果も」
7. 骨を丈夫にして骨粗しょう症を予防する
骨の主成分・コラーゲンを生成するビタミンC。「1~2か月に1個レモンを摂取する女性より、2日に1個摂取する女性の方が、骨密度が高いという研究結果も」。ちなみにビタミンCはアルコールの分解を早めるので飲酒のお供にも◎。
8. しみ・しわ・たるみを改善する
「ビタミンC、クエン酸、ルチンは強い抗酸化作用があるため、老化の原因となる活性酸素を除去。肌の新陳代謝を促進させます」
9. 疲労回復・リラックス効果がある
クエン酸には、疲労の原因となる体内の乳酸を分解する効果が。また、爽やかな香りの成分・リモネンには、リラックス効果があるという。「夜、レモン入りのハーブティーなどを飲むと、睡眠の質を上げられますよ」。
たことじゃこのレモンパスタ【舘野鏡子さんレシピ】
にんにくの香りが食欲をそそり、レモンの酸味でさっぱりいただける
<作り方>
【1】160gのパスタを1%の塩を加えた湯で指定時間通りゆでる。
【2】フライパンにオリーブオイル大さじ2とにんにくの薄切り1かけを入れ、弱火で炒める。香りがでてきたら、ちりめんじゃこ20g、輪切りの赤唐辛子少々を入れて炒め、薄切りにしたゆでだこの足1本分、白ワイン大さじ1、レモン果汁大さじ2、塩こしょう各適量を加え、さらに30秒ほど炒める(炒めすぎるとたこがかたくなり、レモンの酸味が弱まるので注意)。
【3】パスタがゆで上がったら湯を切って【2】に加え、和える。器に盛って小口切りにした青ねぎ適量を散らし、輪切りレモン適量を飾りに添える。
レモンすし酢のレモンカップ寿司【大友育美さんレシピ】
レモンのすし酢で香り爽やか!おもてなしにもぴったり!!
<作り方>
【1】レモン2個を縦半分に切って、果肉をスプーンでくりぬく。ボウルにザルを重ねて、レモン約2個分(大さじ4)の果汁を搾り、砂糖大さじ2、塩小さじ1と1/2を加えて混ぜ合わせ、すし酢を作る。
【2】きゅうり1本を縦4等分に切り、さらに7mm角に切って塩少々をまぶす。スモークサーモン100gはひと口大に切る。
【3】温かいご飯2合分に【1】と【2】を加えて混ぜ、くりぬいたレモンの皮の器に盛りつける。飾りにいちょう切りのレモン適量をのせる。
レモンとトマトのたきこみごはん【大友育美さんレシピ】
皮までおいしい!“エリオシトリン”がたっぷり摂れる
<作り方>
米2合は洗って炊飯器に入れ、水を目盛まで加える。顆粒コンソメ小さじ2を入れて混ぜ、くし形切りにしたレモン(2個分)、ミニトマト6個、ハーフサイズベーコン4枚をのせて普通に炊く。炊き上がったらさっくりと混ぜ、オリーブオイルとこしょう適量を加える。好みで小口切りにした小ねぎ適量を散らす。
レモンポン酢豚しゃぶ薬味うどん【大友育美さんレシピ】
レモンポン酢を作りおきしておけばそうめんやそばなどアレンジ自在!
<作り方>
【1】レモン約2個分(大さじ4)の果汁を搾っておく。皮は適量をすりおろす。
【2】みりん大さじ3を耐熱容器に入れ、ラップをせずに電子レンジで1分加熱し、搾ったレモン果汁としょうゆ大さじ4、かつおぶし2g、昆布3cm角を混ぜる。1日冷蔵庫で寝かせたあと、ザルでこしてポン酢を作る。
【3】鍋に湯をわかして冷凍うどん2玉をゆで、水でしめてザルにあげる。しゃぶしゃぶ用豚肉100gをゆでてボウルに入れ、めんつゆ(3倍濃縮)大さじ2をからめる。
【4】皿に【3】を盛り、小口切りの小ねぎ、みょうが各適量をのせて、【2】とすりおろしたレモンの皮適量をかける。
※レモンポン酢をこして残った昆布は捨てずに細切りにし、かつおぶしとともに千切りキャベツなどと和えるのもおすすめ。
<インフォメーション>
※材料は特記のもの以外2人分。
※電子レンジは600Wを使用。
※レモン1個分の果汁は大さじ2(1日の理想量2個分は大さじ4)。
※撮影時は生の国産レモンを使用しているが、市販のレモン果汁でも代用可能。
※国産レモンがない場合は外国産でも代用可能。皮まで食べるのが不安な場合はむいて使用してもよい。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2024年7月4日号
https://josei7.com/