高齢者におすすめのコンビニ食品|免疫力向上、筋力低下を予防に役立つ6品
最近のコンビニには健康志向な食品が豊富
最近のコンビニは、健康に配慮した食べ物が多く置かれている。離れて暮らす高齢の親の健康を支える方法として、近所にあるコンビニフードをすすめるのなら、現実的で手軽なはず。数あるコンビニフードの中で、健康面にも配慮した親世代におすすめの商品とは?
美容や健康の知識に富んだ専門家に、親世代にすすめたいコンビニフードを教えてもらうこの企画。今回は、介護予防トレーナーにおすすめのコンビニフードを聞いた。仕事柄、いろいろな市町村への移動が多くコンビニで昼食を購入することも多くあるという介護予防トレーナーの久野秀隆さん。よく買うのは、バナナとサラダチキン、腹持ちのよいおにぎり、そしてミネラルウォーター。手軽で美味しいコンビニバナナは車で食べても手が汚れない、サラダチキンは味も豊富で健康的にたんぱく質が摂取できるので欠かせないという。
「コンビニを利用するときは、糖質と塩分が過多にならないように気をつけています。それから、野菜、たんぱく質、食物繊維、水分の摂取を意識。免疫力アップのために、腸内環境を整えることを心がけ、食物繊維と、筋力が低下することで立つ、歩くという当たり前ができなくなるので、それを防ぐためのたんぱく質。この2つは外せません」(久野さん・以下同)
『サラダチキン プレーン』(セブンイレブン)
●高たんぱく低脂肪のヘルシーおかずの材料に
低糖質、高たんぱくで手軽に食べられる食材として人気が高いサラダチキン。ダイエットをしたい人のおすすめの食材として注目されているが、コンビニで手軽に購入することができるので、そのまま食べるのはもちろん、料理の素材として使うこともできる便利な食材だ。
「今、コンビニに必ずあるサラダチキン。脂質が少なく、袋から出せばすぐに食べることができる手軽さも魅力です。どうしても歳とともに肉などのたんぱく質の摂取が減り、筋力低下の要因になります。サラダチキンは、味の種類も豊富で毎日飽きずに食べることができますし、そのまま食べても、調理してもOK。時短料理の心強い味方になります」
『こだわり栽培バナナパック』(ファミリーマート)
●免疫力アップに毎日食べたい果物
バナナにはカリウムが豊富。カリウムは、筋肉の収縮や神経の働きを助け、栄養を細胞に運ぶ働きもある重要なミネラル。また、心臓の鼓動を一定に保ち、体内の塩分を調節してくれることから、カリウムが不足すると、高血圧と腎結石のリスクがあがってしまうと言われている。包丁いらずに食べられるバナナはお手軽かつ優秀な健康食材だ。
「最近のコンビニでは、野菜や果物などの生鮮食品の取り扱いも増えましたが、特に手軽に食べられるバナナは各コンビニ主力商品の1つ。どうしても4~5本の房で買うと残してしまうバナナもコンビニでは3本や、食べきりの1本売りもあります。免疫力アップには腸内環境を整える腸内フローラという言葉も流行っていますが、バナナは水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維を一緒に摂取することができ、免疫力向上を目指せる果物。糖尿病などで糖分の摂取に制限がある人にも、天然の甘さなのでおやつにいいですね」
『1/2日分の野菜!9種野菜の特製ビビンバ』(セブンイレブン)
●もち麦入りで食物繊維たっぷり
1食、528kcalとややハイカロリーに感じるが、色鮮やかな野菜が9種類も入っていてヘルシーな見た目のビビンバ丼。しかもご飯にはもち麦を加えてある。もち麦は、善玉菌のエサになり腸内環境を整える、食物繊維、大麦βグルカンが豊富。糖質の吸収を抑え、食後の血糖値上昇を抑えてくれるため、大腸がんや糖尿病の予防にもいいと注目を浴びている。
「セブンイレブンの『1/2日分の野菜!』シリーズは商品展開も多く、ネーミングからしても野菜が手軽に摂れて嬉しい商品。中でもビビンバは、お肉も入っているので、たんぱく質も摂取できます。納豆をプラスすれば、さらにたんぱく質も食物繊維も増やすことができてヘルシー度が上がりますし、美味しいので試してほしいアレンジです。また、具材とご飯が分かれているので、具材を混ぜる前にご飯だけ取り分けて、ご飯は他のタイミングで使ってもOK」
『NL ブラン入り食パン 4枚入』(ローソン)
●糖質を抑えたしっとりパン
大豆粉や小麦ふすまを使用し、糖質を抑えた食パン。大豆粉のマイルドな味わいは食べやすく、しっとりとした食感が特徴。好みの具材を挟んでサンドイッチにアレンジしても。1枚当り122kcal。
「“マチの健康ステーション”という新たなコンビニの形を目指すローソンですが、パン好きにおすすめなのがブランパンです。ブランとは、穀物の外皮を使用し、糖質が少なく食物繊維も豊富というものですが、糖質制限のある人や、食物繊維をしっかり摂って腸内環境を整えたいという人に、とっても心強く手軽な主食です。また、このブランパンシリーズは、商品によってはアミノ酸が豊富なトッピングのものなど、バリエーションが豊かで、シニア世代に配慮したメニューになっているので利用価値大です」
『金しゃりおにぎり 焼さけハラミ』(ローソン)
●アンチエイジング食材の鮭が贅沢
脂のりのよいチリ・ノルウェー産のアトランティックサーモンのハラミを塩糀に漬け込み、香ばしく焼き上げた焼鮭ハラミ。1つ217kcal。鮭は、脂質の脂肪産生の抑制する働きがあり、また脂肪酸の分解が期待できることから、中性脂肪を減らす働きがあると言われているDHAとEPAという脂肪酸が豊富。さらにビタミン類も多く含み、ビタミンDは骨粗鬆症を予防すると言われている。
「コンビニおにぎりの中では、ちょっと贅沢なおにぎり。おにぎりの具材の中で、シニア世代に大変人気なのが鮭ですが、健康面に配慮しても、優秀な具材です。肉からのたんぱく質摂取が多めにならないよう、ヘルシーな脂肪酸も摂れる魚からのたんぱく質の摂取を心掛けたいですね」
『揚げ鶏(竜田)』(セブンイレブン)
●塩麹で柔らかく、薄衣で見た目よりも軽い
塩麹を使い、しっとりジューシーな鶏肉を薄衣で手作り感のある揚げ鶏に仕上げてある。カロリーも186kcalと見た目よりも低く、たんぱく質も13.2g摂れる。発酵食品である塩麹はビタミンB群が豊富に含まれ、疲労回復効果がある。さらに麹に含まれるペプチドには、脂肪を分解したり、血液がドロドロになるのを防ぐ効果があり、動脈硬化の予防にも有効だ。
「コンビニのホットコーナーは、シニア世代には、身近ではないかもしれません。でもセブンイレブンの揚げ鶏は、家では怖いから油を使わない、一人暮らしでもったいないから揚げ物はしないというシニア世代の人にもおすすめ。とってもジューシーで美味しく、たんぱく質の摂取にも繋がり元気が湧く1品です。もちろん脂質もありますし、塩分もありますが、衣も薄いですし、満足感を味わえるので、たまのご褒美感覚で手を伸ばしてもいいと思います」
介護予防トレーナー :久野秀隆さん
10〜20歳まで俳優として活動。10代からライフセーバー、 18歳よりフィットネスクラブにてパーソナルトレーナーとして勤務。 2019年3月までのべ7000件の教室、年間6万人、のべ13万人のシニアの健康体操を指導。地域財産(行き場作り)を増やすことを意識した教室は大人気。有限会社ビーアウェイク代表取締役。 介護予防運動指導員、かながわ介護予防・健康づくり運動指導員(上級)著書に『座ったままぜんぶできる 1分足裏ほぐし』(主婦の友社)などがある。
撮影/黒石あみ 取材・文/竹腰奈生