高齢者におすすめのコンビニ食品|便秘解消の「とろろそば」や野菜たっぷりの「豚汁」などお腹も心も満たす5品
シニアこそコンビニを上手に活用してほしい
離れて暮らす高齢の親が、どんな食事をしているのかはとても気になるもの。足腰が弱くなり遠くまで買い物に行けないときなどに、近所にあるコンビニを賢く利用できることは心強い。数あるコンビニフードの中で、親世代におすすめの商品とは?
美容や健康の知識に富んだ専門家に、親世代にすすめたいコンビニフードを教えてもらうこの企画。今回は、米国栄養士でもある医師におすすめのコンビニフードと健康的な食べ方についても教えてもらった。
常備食のめかぶと納豆、もずくを買うためにコンビニをよく利用するという医師の中村康宏さん。コンビニで食べ物を買うときに重要視していることは、あまり調理されていないもの≒添加物があまり入っていないものを選ぶことだという。
「コンビニでは、お弁当コーナーで済まさず、惣菜などのおかずやサラダなど、主食とバラバラに選ぶのが大事。自分にとってベストの定番メニューを作るのもおすすめです。揚げ物は極力避け、汁物を選べば満腹感が得られやすいし、カロリーも低くく抑えられます。お弁当や丼モノのご飯は1/3残すのがマイルールで、食物繊維やミネラルなど栄養素をたくさん摂るために、納豆、めかぶ、もずくをプラスして、栄養価を上げつつ満腹感もしっかり得られるようにしています」(中村さん・以下同)
『冷やしとろろそば』(ファミリーマート)
●食後の血糖値上昇を抑えるとろろがたっぷり
とろろは国産山芋を使用。とろろに含まれる水溶性食物繊維は、血中のコレステロール値を下げ、食後の血糖値の上昇を抑え、腸内の善玉菌を活性化して腸内バランスを整える効果がある。さらに、そばに含まれるルチンには、老化でやせた毛細血管に弾力を与え、強くする働きも。トッピングは、きゅうり・ねぎ・きざみのり・わさび。1食367 kcalと、罪悪感なく完食できる。
「水溶性食物繊維を多く含むネバネバ系の食材がたっぷり入った低カロリーのとろろそばはGI値も低く、普通のそばや麺類よりお腹が膨らむ気がします。私の場合は、これにめかぶを追加。そうすると、ボリュームが増えるので得した気分になりますし、満腹感もアップします」
『鶏の旨み!ふんわり玉子の親子丼』(ファミリーマート)
●ごはんを減らしてもボリューム満点
具材を味付けした煮汁を使って卵を調理することで味に一体感をもたせた親子丼。製法を見直し、加熱時間を短縮させたことで、たまごのふんわり感がアップした。鶏肉×卵でたんぱく質をたっぷりと摂ることができる。1食当たり554kcal。
「鶏肉の香ばしさととろとろのたまごが特徴の親子丼。具材とごはんが分かれていて、食べる直前に合わせるタイプなので、ごはんはふっくら。量も調節できるのがポイントです。私はだいたい食べる前に蓋にごはんを1/3ほど除けておきます」
『10種具材の豚汁』(ローソン)
●具だくさんで塩分控えめ!
豚肉・豆腐・にんじん・じゃがいも・ごぼう・こんにゃくなど、10種の具材を使った具だくさんな豚汁。糀割合の高いこうじ味噌を使い、しょうゆもろみを加えることで、塩分を抑えながらもコク深い味わいになっている。食べごたえは十分ながら149kcalと低カロリー。
「野菜がたっぷり摂れますし、おにぎりとの相性も抜群です。豚汁だけでかなりお腹いっぱいになるので、おにぎりは1/2で十分。納豆をプラスして食べると、さらに腹持ちがよくなります。豚汁+米+納豆は、たまに無性に食べたくなる、私の定番メニューです」
『サラダチキンバー』(セブン−イレブン)
●バータイプなら食べやすく超低カロリー
片手で手軽に食べられる、スティックタイプのサラダチキン。普通のサラダチキンでは頬張るのが大変という人にも食べやすい。1本60gで65kcal。糖質はゼロ。
「サラダチキンの中でも小さいものは安くて気軽に食べられるので重宝します。何にでも合うし、腹持ちがいいし、カロリーが少ないし、いいことばかり。大きいのは汁が垂れて少し食べにくいですが、小さいのはスティック状で袋を剝きながら食べすすめられ、汚れにくいのもいいですね」
『さっぱりおろしの冷しゃぶサラダ』(セブン-イレブン)
●大根おろしで免疫力を底上げ!
粗おろし大根と徳島県産すだち果汁入りの手作りポン酢で、さっぱり食べられる冷しゃぶサラダ。大根は、おろすとイソチオシアネートという辛味成分が出現し、殺菌作用や解毒作用、抗炎症作用がある。また、免疫力を高めるビタミンCも摂れ、風邪予防などにもおすすめ。みずみずしくシャキシャキとした食感が特長のレタスを使用。1食148kcal。
「野菜もしっかり食べられて、あっさりとした豚肉が重くなく、適度な食べ応えがあるのに胃もたれしません。ポン酢ベースのたれがおいしく、ごはんとも相性抜群です」
医師:中村康宏さん
産業医、MPH ホルダー、米国栄養士。米・ニューヨークで予防医療の最前線を学び、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」を開業し、院長を務めている。未病治療・健康増進のための医療を提供。近著に『HEALTH LITERACY NYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること』(主婦の友社)がある。
撮影/黒石あみ