甘く仕上げた沖縄風きんとん「田芋田楽・ターンムティンガク」ほか各地のお正月料理【九州・沖縄編】
新年が明け2024年もついにスタート!初日の出を見たら、三が日はゆっくりしながら「おせち料理」を堪能したいもの。そんな「おせち料理」は都道府県ごとに特色があり、地元の食材や文化に根ざした郷土の味がある。女性セブン読者アンケート調査で判明した「九州・沖縄」で親しまれているお正月の料理を紹介する。
【福岡県】がめ煮
根菜、こんにゃく、鶏肉などの食材を混ぜ込んだ煮物で、博多弁の「がめくり込む(寄せ集める)」が名前の由来とされる。全国的には筑前煮と呼ばれているが、「筑前煮よりも具材が大きめ。骨つきの鶏肉を使い、根菜類を炒めてから煮ます」(39才 女性)。
【大分県】おひら
津久見地区の正月料理で、大根、にんじん、里いも、こんにゃく、生揚げ、昆布などの材料に、塩を振り保存していた塩さばを加えて煮たもの。平たい蓋つきの椀に盛ったことが名前の由来となっている。
【宮崎県】きんかんの甘露煮
1~3月に旬を迎えるきんかんの、全国生産量の約7割を占める宮崎県。甘くなめらかな口当たりのブランドきんかんも多く産出している。きんかんは「金冠」と掛けられ、黄金や富の象徴を意味し、生活の豊かさを願うおせち料理では定番食材だ。
【佐賀県】いかのかけ和え
魚介と大根やきゅうりを酢みそで和えたもの。魚介はいかのほか、いわし、さば、あじ、ふなを使うことも。「毎年実家で作っていて、いまは私が実家の分も作るようになりました。塩揉みした薄切り大根とにんじん、しめさばを酢みそで和えています」(64才 女性)
【長崎県】くじら
くじらを食べる文化が根づいている長崎県は、年間個人消費量が日本一。「お正月の準備で、くじらは必ず買います。特に新年は普段食べられないいろいろな部位を用意します」(42才 女性)。刺身以外にベーコンや塩くじらといった加工肉も人気だ。
【熊本県】辛子れんこん
ゆでたれんこんの穴に辛子みそを詰め、衣をつけて揚げたもの。穴があるれんこんは先の見通しがよいといわれ、冠婚葬祭時にも欠かせない。「通常は辛子ですが、変わり種として明太子を穴に詰める食べ方も」(40才 女性)
【鹿児島県】こが焼き
新鮮な卵に魚のすり身を混ぜて蒸した卵焼き。やさしい甘みと独特の食感で、色も鮮やか。お重の中でもひと際目立つ存在。伊達巻に似ているが、蒸し上がってから巻きすで丸くするのが伊達巻、蒸す段階から四角い容器に入れるのがこが焼き。
【沖縄県】田芋田楽
おせちの習慣がないといわれる沖縄にも、お正月の料理には特産品の田芋をきんとんのように甘く練り上げた「田芋田楽(ターンムディンガク)」がある。お祝いの席に欠かせない縁起のよい一品。
※おせちに関する情報は、女性セブン読者1584人のアンケート調査結果(10月23日~11月5日に実施)、紀文食品『お正月に関するデータベース/全国の郷土のおせち料理』、農林水産省「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」(ともにサイト記事)を統合し、編集部で総合的に判断したものです。
※各県の一部地域でのみ確認できる料理、県境を越えて食される料理、また一部雑煮、冬期に食す郷土料理等も含まれています。
※各地の料理(または使われている食材)は、大手通販サイトや地方の特産品サイト等で取り寄せが可能なものもあります。
撮影/宮司信吾 写真/PIXTA、農林水産省Webサイトから編集・加工
※女性セブン2024年1月4・11日号
https://josei7.com/
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