お正月に「かれい」を食べると子孫繁栄・商売繁盛につながる?郷土料理で故郷のおせちを楽しもう!【北海道・東北編】
近年はカジュアルな内容のおせち料理も増えているが、郷土ならではの料理もじっくりと味わいたいもの。全国各地ではどんな料理が食べているのだろうか?読者アンケートで「故郷のおせち」を大調査。今回は北海道・東北地方の特産を使用したおせち料理を紹介する。
教えてくれた人
金子文恵さん/料理家。北海道出身。
北海道・東北地方のおせちはお酒との相性抜群!
「飯寿司」と日本酒でニューイヤー駅伝を楽しむ「北海道のおせちに欠かせないのが鮭の飯寿司。なかでも“紅鮭”の飯寿司は私の大好物。ほんのり酸味があって旨みがある飯寿司を、少しのわさびとしょうゆをつけて食べると日本酒のアテにぴったり。ニューイヤー駅伝を見ながら、ゆったりとつまむのが大人になってからの実家での過ごし方です」(金子文恵さん)
【北海道】鮭飯寿司(いずし)/氷頭(ひず)なます
氷頭なますは、薄切りにした氷頭(鮭の鼻先の軟骨)を甘酢でしめたもの。コリッとした食感がクセになる。鮭飯寿司は、鮭と野菜を塩、米飯のほか、麹で発酵させる。「わが家は鮭をキャベツや大根、にんじん、きゅうりなどと一緒に漬けていました」(52才 女性)
【岩手県】紅葉(こうよう)漬け
鮭の身と腹子を米麹やしょうゆ漬けにした保存食。鮭が旬を迎える秋から冬にかけて作られる、三陸地域のお正月には欠かせない郷土料理。脂がのった秋鮭は、お酒のアテとしてもご飯にのせても箸がすすむ一品。
【山形県】棒鱈(ぼうだら)煮
棒鱈を水で戻し、砂糖、しょうゆ、みりん、酒などで煮たもの。「干して真だらの旨みが濃縮された棒鱈を、骨から皮まで食べられるようじっくりと煮込みます。落とし蓋をとって煮汁を煮詰めてもおいしく仕上がります」(72才 男性)
【青森県】けの汁
津軽の代表的な郷土料理。根菜、わらびやふきなどの山菜、凍み豆腐、油揚げを昆布や赤みそ、しょうゆで味つけした汁物。家庭によって食材や作り方、みその種類が異なり、地元で女性が集まれば「けの汁談義」がはじまるともいわれている。
【福島県】いかにんじん
細切りにしたするめいかとにんじんを、ざらめ糖かみりん、酒、しょうゆを煮たてた調味液に漬けて半日ほど置く。「するめは硬いのではさみで切りにくいですが、この手間で愛情が試されます。終わるとため息が出ますが心地よい満足感に満たされます」(62才 女性)
【宮城県】ナメタガレイの煮つけ
大みそかからお正月にかけて宮城では、しょうゆベースで煮つけたナメタガレイを食べる風習がある。「かれいは家例に通じることから伝統を守る意味、冬に子持ちが増えることから子孫繫栄、卵が黄金色であることから商売繁盛の意味がある、おめでたい魚と聞いています」(34才 女性)
【秋田県】ハタハタ寿司
酢水に3日間漬け込んだハタハタを、麹、米飯、にんじん、ふのり、ゆずなどと重ねて発酵させたもの。「ハタハタが食卓に上がると冬の訪れを感じます。魚の旨みと麹の甘さがマッチしてとてもおいしいです」(42才 女性)
※おせちに関する情報は、女性セブン読者1584人のアンケート調査結果(10月23日~11月5日に実施)、紀文食品『お正月に関するデータベース/全国の郷土のおせち料理』、農林水産省「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」(ともにサイト記事)を統合し、編集部で総合的に判断したものです。
※各県の一部地域でのみ確認できる料理、県境を越えて食される料理、また一部雑煮、冬期に食す郷土料理等も含まれています。
※各地の料理(または使われている食材)は、大手通販サイトや地方の特産品サイト等で取り寄せが可能なものもあります。
撮影/宮司信吾 調理・スタイリング/宮沢史絵、中嶋美穂 取材・文/番匠郁、近藤鈴佳 写真/PIXTA、農林水産省Webサイトから編集・加工
※女性セブン2024年1月4・11日号
https://josei7.com/
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