今すぐ実践!「肩こり・ストレス・不眠・イライラ」症状別・ツボ押しマッサージ8選【鍼灸師監修】
最近、夫やパートナーと手をつないでいますか? 実はスキンシップには絆を深める心理的なメリットと、肌をきれいにするなどの身体的効果もあるんだとか。とはいえ、いまさら恥ずかしくて…。という方も多いだろう。そこでおすすめしたいのが、ハンドマッサージだ。西洋医学では、手には内臓や骨格に対応するツボがたくさんあるという。専門家に、肩こり、ストレスなど考えられる不調に対応するツボを教えてもらったので是非パートナーと実践してみて欲しい。ツボを押し合いつつ、お互いの体をいたわりあおう。
教えてくれた人
森田真理さん/鍼灸師
Mari鍼灸Salonオーナー。美容テクニックと鍼灸治療を組み合わせたオーダーメードの鍼灸治療を行う。主な著書に『手から体を癒す』(ブルーロータスパブリッシング)など。
会話をしながらツボを押し合って
東洋医学によると、手のひらや甲、指には内臓や骨格に対応するツボが集まっていると考えられている。
「手のひらにはお腹側、手の甲には背中側に対応するツボが集中しています」
とは鍼灸師の森田真理さんだ。
手と体の関係性は上の写真を参考にしてほしい。押すと痛いところが不調のある場所だ。自分で自分の手をもむのもいいが、どこが気持ちいいか聞きながら、夫やパートナーにマッサージをしてあげると、会話も増えておすすめだという。
「人にツボ押しをする場合、気をつけてほしいのは、相手が求めたとしても、強く押しすぎないこと。筋肉が緊張して、効果が得られないばかりか、炎症を起こす可能性もあります」(森田さん)
ツボの周辺をさするだけでも効果があり、そもそも手に触れればオキシトシンが分泌される。指先でやさしくなでるように刺激し、スキンシップを取りつついたわり合おう。
手にあるツボ一覧
手はツボの宝庫。マッサージをすれば全身の不調に効果的だという。乾燥するこれからの季節は、保湿クリームを塗ってあげながら行うのもおすすめだ。
◆手のひら
手には約1万7000本の末梢神経が走っており、体の器官や臓器とつながっている。手のひらは体のお腹側を反映しており、内臓のケアをしたいときは、手のひらを刺激するのがおすすめ。
◆手の甲
手の甲は背中側、特に骨や関節などの骨格を反映する。手を反らせたときに腱が現れないのは、老廃物がたまっている証拠。首・肩のこりや腰痛は、その部位を直接もむより、手の甲の対応する部分を刺激した方が、緊張した筋肉を効果的にほぐせるという。
「症状別」8つのツボマッサージ
以下では、手のツボの一部を症状別に紹介。
「ツボを押すときは、いきなり強い力で押したり、押した後にすぐ手を離すのは、筋肉に負担をかけるのでNG。押すのも戻すのもゆっくりが基本です」(森田さん)。
【1】肩のこり
肩回りのツボが集う 薬指の根元を回す
肩甲骨や肩関節に該当する薬指の根元を回してほぐすと肩こりに効果的。両手の薬指に各30秒ずつ行う。また、手の甲側、小指と薬指の間の骨の際に「液門」というツボも。ここを押すと緊張がほぐれる。
【2】便秘・下痢
手のひらの下部を 強めに2~3分押す
手のひらの中央から下の部分は、下腹部に該当するため、このあたりを親指で強めに2~3分押すと腸の働きが活性化し、便秘や下痢の改善に。腰痛や免疫力が低下したときにも効果的。左右両方の手で行う。
【3】自律神経の乱れ
爪の生え際を つかんで引っ張る
爪の生え際には、「井穴(せいけつ)」というツボがある。親指と人差し指で爪の生え際をつかんで押し、勢いよく引っ張ることで、自律神経のバランスが整えられる。各10秒ずつ押し、左右の指すべてに行う。
【4】不眠
手のひらを上にして 中指を反らす
脳の神経が興奮していると眠りづらくなる。それを鎮めるには、頭に該当するツボが集中する中指に刺激を与えるのが効果的。手のひらを上にし、腕をまっすぐに伸ばして中指を握って反らし10秒キープ。両手とも行う。
【5】ストレス
親指と人差し指が交わる骨の際を押す
手の甲の親指と人差し指の付け根にあるツボ「合谷」に親指を当て、人差し指の方向に押し上げる。両手とも行う。血流を改善し自律神経を整えるため、ストレスの緩和、肩こり、頭痛、冷えなどにも効果的。
【6】頭痛
中指の爪の根元あたりをはさんで押す
中指の爪の根元には首の付け根に該当するツボがあるため、首こりからくる頭痛の場合、親指と人差し指で中指の爪の根元あたりをはさんで1~3分もみほぐす。両手とも行う。めまい、高血圧などにも効果的。
【7】イライラ・落ち込み
手のひらの中央「労宮(ろうきゅう)」を「の」の字にほぐす
手のひらの中央にあるツボ「労宮」は、自律神経の働きを整えるので、ストレスによるイライラ、落ち込みといった精神的な疲れや体のだるさなどを改善できる。親指で「の」の字を描くようにして1分ほどもみほぐす。
【8】夏バテ
指を絡め合って握り 指の付け根を圧迫する
夏バテの原因のひとつは血行不良。指の間にある「指間穴(しかんけつ)」というツボを刺激すると血流がよくなるため、手のひらを合わせて相手と自分の指を交互に絡め、力を入れて握ると効果的に刺激できる。30回繰り返す。
取材・文/土田由佳 イラスト/オモチャ
※女性セブン2023年10月5日号
https://josei7.com/
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