しつこい咳を止めたい!医師が教える30のシンプルな方法「咳を誘発する食べ物がある」
咳が出て止まらない……自分の体がつらいのはもちろん、それより気になるのが周囲から「ウイルスをまき散らさないで」という冷たい視線を浴びること。しかし、咳をピタッと止める簡単な方法がこんなにあった!
教えてくれた人
望月優一郎さん/目白もちづき耳鼻咽喉科院長、上昌広さん/医療ガバナンス研究所理事長、内科医
「咳が長引く人が増えている」専門医が解説
「ゴホッ、ゴホッ!」
電車内にひとりの女性の咳が響くと、隣に座る男性は露骨に顔をしかめ──千葉県在住の会社員・吉田英子さん(47才・仮名)は最近こんな経験をしたと話す。
「コロナにかかった後から突然咳込むようになることが増えて…。先日、電車に乗っているとき、あまりにも咳が続くので隣に座っていた男性が舌打ちをして、違う車両に移動しました。咳にナーバスになっている人がまだまだ多いので、“また咳が止まらなくなったらどうしよう”と外出をためらうようになってしまいました」
“コロナ明け”を迎えてから3か月。マスクをしている人は目に見えて少なくなり、街に日常が戻りつつあるが、咳やくしゃみといった飛沫への恐怖心は人々に深く染みついているようだ。電車や飲食店で咳込む人には、ウイルスをまき散らすなと言わんばかりの白い目が向けられる。
しかし、目白もちづき耳鼻咽喉科院長の望月優一郎さんは、病気に伴って体に侵入してくる異物を排除するために、咳は必須だと話す。
「咳が出る原因は大きく分けて2つあります。まず1つ目はのどや鼻の奥など首から上の、上気道の炎症です。のどにかゆみや痛みが生じ、気道まで流れ落ちた鼻水を排出するために咳が出るのです。もう1つは肺や気管など、のどから下の下気道の炎症により起こるもの。上気道の咳は風邪などが原因であることが多く、下気道の咳は肺炎や気管支炎のほか、アレルギー反応が関係していることがあります」
やっかいなのは、炎症が治まった後に続く咳も多いということ。医療ガバナンス研究所理事長で、内科医の上昌広さんが解説する。
「風邪による熱やだるさがなくなった後、1~2か月くらい続く咳を『感染後咳嗽(がいそう)』といいます。感染症が治っているので、この咳でウイルスをまき散らすことはありません。アレルギー症状と同じで、咳だけが反射的に続いてしまっているのです」
とはいえ、周囲の人にそれを説明して回るわけにはいかない。
「咳止め薬は品薄で、市販薬はもちろん、処方薬も薬局にない状態が続いています。いま知っておくべきは自分でできる対策だといえるでしょう」(望月さん・以下同)
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