1枚の奇妙な「変な絵」で脳を活性化!「住宅街に潜む怪しい人物を見破れるか?」
昨秋発売の謎解きミステリー長編『変な絵』(雨穴(うけつ)著)は奇妙な絵に秘められた謎を解く快感が話題となり、30万部の大ヒットを記録した。1枚の絵の中にちりばめられた不審点を凝視し、 論理的に頭を働かせて謎を解き、事件の裏に隠された物語に思いを巡らす── 視覚、思考、想像力をフル活用した脳トレで、脳内細胞を活性化しよう。
閑静な住宅街に潜む怪しい人物の見分け方
<問題の解き方>
不穏さに満ちた「変な絵」をじっくり見ながら、設問を順番に解いてください。イラストの中に隠された“鍵”を見つけて、絵に描かれた事件の謎を解明してください。
【問題】
Q1:とある高級住宅街の真昼の風景である。この中で、明らかに住宅街の住人だとわかるのは誰だろう?
Q2:スーツの男は営業マンだろうか? いや、それにしてはおかしい点がある?
Q3:空き巣の狙いはどこだろう?
<解答>
A1:女性は手にコンビニの袋を持っていて、牛乳とアイスクリームが見えている。
長時間持ち歩くと溶けたり傷んだりしてしまうため、この近くに住んでいるはずだ。
A2:よく見ると、手に鞄を持っておらず、スーツもサイズが大きく体に合っていない。
借りものだろうか? 足元が泥だらけのスニーカーのようだ。この靴で営業をするサラリーマンはいないだろう。この男が空き巣だ。
A3:駐車場に車がなく、2階の窓が開いている家がある。
ここを狙って、スーツ姿の男は人気がなくなるタイミングを待っていたようだ。空き巣は目立つ格好をしない。現場に合わせた服と逃げやすい靴で犯行に及ぶ。通行人と目を合わせないのも特徴だ。怪しい人物がいたら気をつけてほしい。
世界では認知症予防に「認知トレーニング」が推奨されている
2019年に世界保健機関が公表した「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」によれば、バランスのとれた食事や禁煙、社会活動などに並び、認知トレーニングの実施が推奨されている。
「たとえば2枚の絵を見比べて間違いを探すゲームは、思考や判断力を中核とする前頭前野の右側を活発化させ、一時的な記憶を司るワーキングメモリーの活動を鍛える訓練になります」
こう解説するのは、脳神経科学に詳しい諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授。
今回のようにイラストにちりばめられた答えを設問から導き出すゲームにも、同様の効果が期待できるという。
「イラストを見ながら設問を読んで論理的に考えることは、前頭前野でも左側、言葉の理解に関わる側頭連合野などを活性化させるトレーニングとして有効です」(篠原氏)
謎解きを楽しみながら、脳を活性化させよう。
謎解き推理ゲーム「イラスト探偵」
1枚のイラストから事件の謎を解き明かし、簡単な操作で探偵気分を味わえる。問題数は100ステージ・400問。AppSeed合同会社 https://app-seed.com/
※上記の問題は「イラスト探偵」の設問を一部改変しています。
教えてくれた人
篠原菊紀さん/諏訪東京理科大学・教授
取材・文/小野雅彦
※週刊ポスト2023年2月24日号
●不穏さに満ちた「変な絵」で謎解きに挑戦しよう!「公園に爆弾を置いた犯人は誰?」