不穏さに満ちた「変な絵」で謎解きに挑戦しよう!「公園に爆弾を置いた犯人は誰?」
1枚の絵の中にちりばめられた不審点を凝視し、 論理的に謎を解く謎解きミスリー長編『変な絵』(雨穴(うけつ)著)が大ヒットしている。脳の専門家いわく「変な絵」は「言葉の理解に関わる側頭連合野などを活性化させるトレーニングとして有効だ」と話す。早速、謎を解いて脳を活性化さよう!
世界では認知症予防に「認知トレーニング」が推奨されている
2019年に世界保健機関が公表した「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」によれば、バランスのとれた食事や禁煙、社会活動などに並び、認知トレーニングの実施が推奨されている。
「たとえば2枚の絵を見比べて間違いを探すゲームは、思考や判断力を中核とする前頭前野の右側を活発化させ、一時的な記憶を司るワーキングメモリーの活動を鍛える訓練になります」
こう解説するのは、脳神経科学に詳しい諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授。
今回のようにイラストにちりばめられた答えを設問から導き出すゲームにも、同様の効果が期待できるという。
「イラストを見ながら設問を読んで論理的に考えることは、前頭前野でも左側、言葉の理解に関わる側頭連合野などを活性化させるトレーニングとして有効です」(篠原氏)
謎解きを楽しみながら、脳を活性化させよう。
爆弾魔に秘められた意外な願いとはなんだったのか?
<問題の解き方>
不穏さに満ちた「変な絵」をじっくり見ながら、設問を順番に解いてください。イラストの中に隠された“鍵”を見つけて、絵に描かれた事件の謎を解明してください。
【問題】
Q1:「公園に12時に爆発する爆弾がある」と通報が入った。爆弾はどこにある?
Q2: 爆発まであと10分。駆けつけた警察が最初に目をつけたくなる人物は誰だろうか?
Q3 :この人物によれば「怪しい人物は誰も公園に来ていない」という。それが正しいのならば、この中に、ほかに怪しい人物はいるだろうか? どうやら、この人物は、自分で通報までしていたようだ。
<解答>
A1:滑り台の一番上にプレゼントのような不自然な箱が置かれている。中からはタイマーのような音が鳴っている。
A2:ベンチにいる男性だ。話を聞くと、彼は子供の一人を遊ばせている父親だった。
A3:木の陰から双眼鏡でこちらを窺っている男の子がいる。実は彼が犯人だ。犯人の男の子が自分で通報したのだ。子供なら怪しまれずに爆弾を置くことができた。その後、爆弾はおもちゃであることが発覚。公園で誰も一緒に遊んでくれなくて、気を引くためにやったという。
謎解き推理ゲーム「イラスト探偵」
1枚のイラストから事件の謎を解き明かし、簡単な操作で探偵気分を味わえる。問題数は100ステージ・400問。AppSeed合同会社 https://app-seed.com/
※上記の問題は「イラスト探偵」の設問を一部改変しています。
教えてくれた人
篠原菊紀さん/諏訪東京理科大学・教授
取材・文/小野雅彦
※週刊ポスト2023年2月24日号