医師が本当にやっているキレイを続ける食事術「毎日発酵食品、雑穀米で血糖値対策」
女性の体や健康について専門知識をお持ちの女性医師たちは、どんな食生活をしているのか?50才を超えてなお美しく、かつ忙しく活動している彼女たちの健康の秘訣とは。美肌に定評がある2人の医師に「食事術」を教えてもらいました。
医学博士・渡邉千春さん(55才)の食事術
「腸内環境を整えると、免疫力や代謝がアップするので、お肌の調子もよくなります。ですから私は毎日、発酵食品を食べるようにしています」
とは、皮膚科医の渡邉千春さんだ。
腸内にはさまざまな種類の微生物がおり、腸の働きを助けているが、その中には、腐敗物質を生成する悪玉菌も存在し、これが増えると腸の機能が衰え、免疫力が低下する。そんな悪玉菌の増殖を防ぐのが、発酵食品や乳製品などに多く含まれる、乳酸菌などの善玉菌だ。そのため、できるだけ食事で善玉菌を取り入れた方がいい。
キムチ納豆とぬか漬けで「善玉菌」を
「私がよく食べるのは、キムチと納豆を混ぜたものと、自宅のぬか床で漬けたぬか漬けです。これに、豆腐やきのこ、海藻のみそ汁、もち麦ご飯、卵料理、サラダなどが定番です」(渡邉さん・以下同)
バランスも意識している。
「皮膚のターンオーバーを促進するビタミンAを含む緑黄色野菜、水分代謝を促し、むくみを予防してくれるカリウムを含むいちごやキウイなどのフルーツ、皮膚の健康維持に有効なビタミンB6を含むアボカド、抗酸化作用の高いビタミンEやオメガ3系のオイルを含んださばの水煮缶などはよく摂るようにしています」
筋肉や血液の生成に欠かせないアミノ酸が不足しないよう、プロテインドリンクもよく飲み、食事だけでは必要量を賄いきれない鉄分もサプリメントを活用。バランスよく栄養素を摂るのが難しい場合は、無理せず、こういった食品も取り入れているという。
医師・石井美夏さん(63才)の食事術
「主食は食物繊維が豊富な玄米と雑穀米をブレンドしていただいています」
とは、形成外科医の石井美夏さんだ。
「白米と玄米を半々にし、小豆やひよこ豆、十穀米を加えて、炊飯器の“玄米モード”で炊いています。もちもちした食感でおいしく、何より栄養が豊富。白米に比べて血糖値の上昇がゆるやかなのも特徴です」(石井さん・以下同)
玄米や雑穀米はやわらかく炊き上げるため、石井さんは半日ほど浸水させて約90分かけて炊き上げる
お酒を飲み過ぎたら漢方薬を
年齢とともにエネルギー代謝が落ちるため、若い頃と同じように食べていては太ってしまう。そこで、肥満予防も意識しており、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、菜の花、ピーマン、オクラ、かぼちゃ、パプリカ、にんじん、ビーツなどを食べるようにしているという。
「緑黄色野菜は、抗酸化作用の高いビタミン類が豊富。具だくさんのみそ汁やスープにしたり、蒸すかゆでて塩やしょうゆで和え、副菜に。生のままサラダにし、オリーブ油やバルサミコ酢のドレッシングで食べることもあります」
石井さんは好きなお酒も適量を見極めて、楽しんでいるという。
「お酒を楽しむコツは、アルコールを早く体外に出すこと。飲みすぎたと思ったら、水分排泄を促す漢方薬『五苓散(ごれいさん)』を水とともにのみます」
体に余計なものはすぐに出すことが大切なのだ。
「リカバリーはその日のうちにするようにしていて、チョコレートなど甘いものを食べたら、ウオーキングをしてカロリーを消費します」
「食べたら動く」を徹底すると、筋力の維持にも有効だ。
教えてくれた人
渡邉千春さん(55才)/「千春皮フ科クリニック」総院長。医学博士。大学病院での臨床医勤務などを経て独立。肌トラブルに合わせた治療とカウンセリングに定評がある。埼玉県・浦和と東京都・広尾にクリニックを構える。4人の子どもの母でもある。
石井美夏さん(63才)/「美夏クリニック」院長。医師。昭和大学医学部形成外科学教室、亀田総合病院などを経て開院。主な著書に『「コロナ老け知らず」女医の美肌習慣』(双葉社)。
取材・文/前川亜紀 イラスト/尾代ゆうこ
※女性セブン2023年2月9日号
https://josei7.com/
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