増える在宅介護、ニオイに悩む人は7割超との調査結果も!介護の負担を減らすポイントを専門家が指南
11月11日は介護の日。このタイミングに合わせ興味深い調査が発表された。在宅介護をしている人の7割以上が「ニオイ」に悩んでいることが判明したのだ(エステー調査より)。コロナ禍における在宅介護の実態やニオイにまつわる問題点などについて、調査結果をもとに解説する。
判明した在宅介護における「ニオイ問題」
介護用の消臭剤などを手がけるエステーは、20才から69才までの在宅介護を行っている男女を対象に、在宅介護の問題や介護に伴うニオイに関する実態調査※を実施。
その結果、仕事と在宅介護を両立させる「ながら介護」をしている人が、調査対象者の約半数もいることがわかった。さらに、在宅介護でニオイに関する悩みを抱える人が7割にも上ることが判明した。
調査結果をもとに、ニオイ問題に関する実態や対処法を在宅介護問題に詳しい専門家のアドバイスとともに紹介する。
※「在宅介護者への「コロナ禍の介護」に関する調査」(期間:2022年10月17日~10月25日、対象:同居・別居で在宅介護する20~69才までの男女461人)。グラフはすべてエステー提供。
コロナ禍で在宅介護する人が増加
同調査によると、コロナ禍で在宅介護が増えた背景は、
「コロナ感染拡大で介護施設の利用が制限されたり、介護施設が休業したから」が57.6%と高い割合になっている。
また、「家にいる時間が増えて、在宅介護ができるようになったから」が48.2%となっている。
実際、記者(60才)の知人で高齢の親をデイサービスに通わせていたが、コロナ禍で施設の利用が制限され、在宅介護に切り替えざるを得なかったという声も聞いた。
在宅勤務中の「ながら介護」が約半数も
さらに調査では、約半数もの人が「週1日以上在宅勤務をしながら在宅介護をしている」と答えた。
また、約4割がコロナ禍で「介護離職をした」(12.4%)、あるいは「しようと思った」(32.1%)経験があることも判明。
記者の周りでも、介護する子世代は定年を迎えた後も、自身の老後のため再就職やパートに出ている人も多く、仕事と介護をどう両立していくか、「ながら介護」の継続は大きな課題といえそうだ。
同調査にコメントを寄せている介護ジャーナリストであり介護福祉士の小山朝子さんによると、
「コロナ禍で在宅勤務と在宅介護の双方を担う人が増えています。要介護の方とご家族が同じ部屋の中で長時間過ごすと、互いの言動が気になり口喧嘩が増えたなどのトラブルも起きやすくなります。
とくに介護が不慣れな場合は、自分のための時間を二の次にして介護を優先させて、ストレスをため込んでしまったり、誰の力も借りず介護の悩みを一人で抱え込んでしまうケースが少なくありません」と、「ながら介護」の難しさを語る。