増える在宅介護、ニオイに悩む人は7割超との調査結果も!介護の負担を減らすポイントを専門家が指南
在宅介護が増える中で、多くの人が悩んでいるのが「ニオイ問題」だ。
調査結果では、「在宅介護中、空間に漂うニオイや物に染み付いたニオイが気になる」と答えた人は、「非常に気になる」(25.8%)と「やや気になる」(45.8%)を合わせて、約7割にも上った。
ニオイによる心理的な負担も
さらに、
・「ニオイが気になるから他人を家に入れたくない」(43.6%)
・「ニオイについて、介護されている本人に言えない」(35.2%)
といった、心理的ストレスを抱える人も多い。
ちなみに、ニオイが気になる場所としては、排せつに関わる場所が多いことも同調査で判明した。ニオイが気になる場所トップ3は、以下のようになっている。
・介護している部屋…64.8%
・トイレ…62.4%
・おむつを捨てるごみ箱…35.5%
仕事をしながら母親(80代)の在宅介護を続ける記者の知人(60代女性)も、マンションの部屋のニオイがいつも気になっていたという。
「部屋が常にニオイがするような気がして、食事するときに気になりました。使用済みのおむつを入れたごみ袋は、2枚重ねて使って縛っていますが、ベランダに出しておくとお隣などに影響がないか心配もあって部屋に置いているのでなおさらニオイが気になります」と不安を漏らす。
女性セブンが実施した「介護の困りごと」調査でも、1位は「ニオイ」という結果だった。
→介護の困りごと調査「1位はニオイが気になる」 みなさんのお悩みは?リアルな声を大募集します
→2000人が回答!介護で困っているニオイは1位尿臭、2位便臭、3位体臭だった みんなの対策と専門家の解説
先述の介護福祉士の小山さんによると、
「とくにニオイが強いものは使用済みのおむつで、ごみの収集日までの間、どこに保管するかで悩む人もいます。屋外に出しておいたらごみ袋をカラスに突かれおむつが散乱したケースもあります」という。
そんなときは、消臭芳香剤などのグッズを生活に取り入れて、在宅介護の負担を減らしてほしいという。
「ただし、一般の消臭剤を使うと、消臭剤の香りと介護によって発生するニオイが混ざり合ってより不快になることもあるので、“介護専用”のものを選ぶことをおすすめします。
ニオイの問題に限らず、介護の困りごとやストレスは一人で抱えこまず、ヘルパーやケアマネージャーに相談したり、介護の専用アイテムを上手に使ったりして、介護の負担を減らすことが大切です」
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ドラッグストアやスーパーの介護用品売り場などを見ると、今まで知らなかった便利そうなアイテムを発見することが増えてきた。長期に渡り介護をする可能性があることを視野に入れると、介護に関する情報収集や新たなアイテムをチェックしておくことが大切だろう。
※「コロナ禍における在宅介護に関する調査」エステー https://www.st-c.co.jp/
取材・文/本上夕貴
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