猫が母になつきません 第308話「みつからない」
もう探すところがなくなってしまいました。でも見つからない。先週は庭に落としていました。ほぼ毎日のように母が失くした鍵を探すのですが、母が首にかけていたり、トイレのタオルかけや木の枝にかかっていたことも。たいていは見つけることができるのに、今回はなぜかどんなに探しても見つかりません。家に入って来ているので外出先で失くしたということはない。一日中探して母から出た言葉は「あなたに預けたと思うの」。心の中で思いっきりつっこむ「なんでやねん!」。母は悪いことはすべて人のせいにできる天才。最近は妄想も入っているので、何でもあり。母の中ではもう「私に預けた」ことになっているようなので、探すのはあきらめて翌日合鍵を作り、赤い猫のキーホルダーとよく響く音で鳴る鈴をつけました。母が鍵を持って歩くとよく聞こえる。うちでは猫にだって鈴はつけていないのですが(笑)。最近はスマホで位置情報がわかる紛失防止のタグ(キーホルダーのように持ち物につけられる)がでているので、使ってみようと思っています。鍵よりも鉄砲玉の母の追跡に役立ちそうですし。
【関連の回】
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。