猫が母になつきません 第309話「のこす」
ぽつんと一粒。キャットッフードを少しだけ食べ残すという猫は多いようで、野生の世界ではいつでも獲物がとれるわけではないので、一度にすべて食べてしまわずに少し食べて残す、残ったものはまた食べて少し残すというように、何度かに分けて食べるという習性が残っているから、と言われています。…にしても一粒って(笑い)。食事をすませてベッドの上で毛づくろいしているさびは満足げです。ふた粒残しのときには一旦立ち上がって私の足の周りをくるんと一周して再び器の前に座り、じっとおかわりが入れられるのを待ちます。この法則に気がついてから、お魚型、三つ葉型、お花型と三種類の形がミックスされているキャットフードの中で「1粒だけ残されるフードの形にきまりはあるのか?」なども検証してみたのですが、お魚型が確率的に多いものの、必ずというわけではありませんでした。猫は自分の決め事が多いので、いつも見ているとまるで会話しているように気持がわかる。会話できるはずの母の予測不能、理解不能ぶりが日に日に激しくなってるだけに救われます。
【関連の回】
第239話「ループする」
第203話「さをつける」
第162話「こまかい」
第70話「さびのごはん」
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。