顔の歪みを直して左右対称の美しい顔へ「舌ストレッチと逆マッサージ」を専門家が指南
生まれたてのときにはほとんどない顔の左右差は、成長していく中で少しずつ出てきて、加齢や生活習慣によって次第に歪みが顕著に表れ始める。目の大きさ、ほうれい線の深さ、しわの数、たるみ…明らかに左右で違うなら、それは顔が歪んでいる証拠かも。左右対称の整った顔といえば、オードリー・ヘプバーンが代表的。専門家が提案するストレッチで、左右対称の美しい顔を目指そう!
【目次】
顔の歪みを放置するとさまざまな症状が…
顔の歪みを放置していると、どんどん左右差は広がり、顔が大きく、老けて見えるようになる。見た目だけの問題ではなく、さまざまな不調にもつながる。
自律神経の乱れ、頭痛、めまい、むくみ、だるさ、冷えの原因にもなるという。そこで、さつま骨格矯正鍼灸整骨院総院長・薩摩宗治さんと、歯学博士・中村真理愛さんに歪みを改善する2ストレッチを教えてもらった。
以下で、あごの歪みを直す「舌ストレッチ」と、顔の左右差を改善する「逆マッサージ」を紹介する。
→広瀬すず、佐々木希の共通点は”左右対称の整った顔”「顔の歪み」の原因を医師が解説
舌を鍛えて歪みを直す「舌ストレッチ」
マスク生活で油断し、つい口呼吸が増えていることも顔の歪みを加速させている。歯学博士の中村真理愛さんが指摘する。
「舌は筋肉のかたまりで、体幹とつながっています。舌の位置は上あごに軽くつく場所が理想的ですが、口呼吸している人は舌の位置がずれているため、体幹もずれる原因となる。スポーツ選手が舌の位置を矯正したことで成績が向上することもあるほど、舌は体の歪みを語る上で重要な部分なのです」
左右対称の顔に近づくには、まず舌の筋トレから。さつま骨格矯正鍼灸整骨院総院長・薩摩宗治さんは「舌ストレッチ」を推奨する。
「上下左右に舌を動かすことで、顔面筋が刺激され、あご、目、鼻、頰の歪みが改善されます。不自然な歪みがなくなると食いしばりも軽減されます」(薩摩さん・以下同)
■あごの歪みを解消する「舌ストレッチ」
舌は首から顔につながる筋肉で動いている。鍛えることで口の内側からあごを支えられるようになり、下あごの歪み改善につながる。
【1】口を大きく開き、舌を限界まで前に突き出す。出しきったところで、そのまま10~90秒キープする。
【2】あごを軽く上げ、鼻先に舌をくっつけるようなイメージで舌を上に伸ばす。伸ばしきったところで10~90秒キープ。
【3】口を開け、舌を限界まで右へ伸ばして10~90秒キープ。だらりと下に伸ばすのではなく、右上へ舌を引き上げるように。
【4】舌をあごにくっつけるイメージで限界まで下へ伸ばす。アッカンベーをするように伸ばしきったところで10~90秒キープ。
【5】口を開け、舌を限界まで左へ伸ばして10~90秒キープ。【3】同様、左上へ引き上げるようなイメージで行う。
最初は10秒からスタートし、慣れてきたらキープ時間を延ばしていこう。90秒キープすると筋肉に癖がつきやすくなる。
顔の左右差を改善する「逆マッサージ」“外から内へ”
たるみやしわが気になるからと、自己流マッサージで皮膚を引っ張るのもNG。
「多くの人は、たるみやしわを伸ばすために『内から外』に向かって引っ張るようにマッサージしますが、逆効果になり得る。筋肉を外側に引っ張ると顔面筋がますます疲弊し、筋肉が皮膚を支えられなくなり、老け顔の原因となります」
薩摩さんが推奨するのは、顔の外から内へ向かって行う「逆マッサージ」だ。
「口を開けたときや笑ったときなど、基本的に顔面筋は普段の生活で外側へと伸びることが多い。外側へ伸びきって疲弊した筋肉をリセットさせるには、外から内へ『逆マッサージ』する必要があります。リンパの流れを気にするかたがいますが、顔面に関しては流れを気にしなくても老廃物は流れます。ただし、首から鎖骨にかけては老廃物を心臓に流す必要があるため、必ず、あごから首、鎖骨に向かって流してください」
外から内へマッサージすると、ほうれい線やしわがより深くなってしまうのではないかと不安になるが、薩摩さんは問題ないと続ける。
「逆マッサージした直後、一時的にしわが深くなった気がするかもしれませんが、外側に引っ張られていた筋肉組織がしだいに内側に戻ってくることで肌にハリが戻り、ほうれい線も薄くなっていきます。 逆マッサージを行う際は、滑りをよくするためにワセリンなど油分のあるクリームを先に塗っておくといい。マッサージする際の強さも、厳密に気にする必要はありません。普段からマッサージをしている人なら、ちょっと強いくらいでも構いません」
今回は、左右差が目立ちやすいパーツである目元と、ほうれい線を深くする小鼻の広がりを抑える逆マッサージを紹介する。「加齢だからしょうがない」とあきらめたら、そこからは老けていくだけ。一日でも早くケアを始めることで、左右対称な若々しい顔になるのも夢ではない。
■まぶたの下垂を予防する「目」の逆マッサージ
まぶたのたるみやむくみなどは、「眼輪筋(がんりんきん)」の硬直や衰えが原因。放置していると、どんどん目が細く小さくなってしまう!
【1】両目を閉じたら、両手の人差し指を目尻に、中指と薬指を目頭にあて、目元全体を上へ引き上げる。30秒キープ。
【2】両目は閉じたまま、親指と人差し指で目頭と目頭の間をつまむ。中央に引き寄せるようにつまんで30秒キープする。
【3】親指と小指以外の指を両目の目尻の横にあて、目尻を中央へ寄せるように軽く押す。そのまま目を10回パチパチと開閉する。
■ほうれい線を薄くする「鼻」の逆マッサージ
実は、ほうれい線が深くなるのは加齢とともに横へ広がる小鼻が原因。鼻をキュッと中央へ引き寄せれば、ほうれい線が薄くなる。
【1】小鼻の上、鼻筋の中心あたりを両手の人差し指ではさみ、左右均等な力で中央へ向かって強めに20回押す。
【2】左右の小鼻の横に人差し指をあて、小鼻を鼻の中央へ寄せるように強めの力で押す。左右均等に20回押す。
【3】目頭と眉頭の両方を押さえるように両手の中指をあて、それぞれの中指を引き寄せるように20回押す。
※薩摩宗治さんの著書『顔の「ゆがみ」がなければ、あなたはもっと美しい! 顔面筋革命』(講談社)をもとに編集部で作成
教えてくれた人
さつま骨格矯正鍼灸整骨院総院長・薩摩宗治さん、中村真理愛さん・歯学博士
イラスト/あべゆきこ
※女性セブン2022年3月10日号
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