“いくつになっても美しい人”が身につけている「ヘアケア法、表情、品格」の極意
同世代で同じ年月を重ねていても、久しぶりに会うと老けこんでしまう人もいれば、いつまでも若々しい見た目を保っている人がいる。この境界線はどこになるのだろうか。あの人にあって、自分が失ってしまったものとは? 自分がどちら側の人間なのかを知り、「失わない人」になるにはどうすればいいのか、達人に“身につける極意”を聞いた。
若作りするほど清潔感が失われる
あなたは、自分が初めて「おばさん」と呼ばれたときのことを覚えているだろうか。もしその相手が特別親しい間柄ではないのなら、あなたの外見を見て「おばさん」だと判断したことになる。その原因は、「清潔感」を失ったことが大きいだろう。美容師でヘアメイクアップアーティストの船津有史さんはこう話す。
「年齢を重ねると、どうしても髪と肌が乾燥し、ツヤがなくなります。パサつきやツヤのなさは、清潔感を損なう原因です。メイクによる“若作り”は一時的なごまかしで、根本的な解決にはなりません。普段からしっかりスキンケアや髪の手入れを続けて、土台を整えることが年齢を重ねてからの清潔感の維持につながります」
●洗髪後はドライヤーで完全に乾かす
マスクで顔が隠れるいま、最も「老けたなぁ」と印象づけるのが髪の毛だ。パサつきやうねりは遠くからでも目に入り、実年齢よりも老けて見えてしまう恐れもある。
「髪の毛にツヤとハリを出すいちばんの方法は、洗髪後のドライヤーでのブローです。髪は濡れている状態から完全に乾く瞬間にキューティクルが閉じてツヤが出て、熱がある状態から冷めるときに髪の毛の形がつくられます。しかし、多くの人が髪の毛を完全に乾かしきらず、微妙に水分が残っている状態でブローをやめてしまう。キューティクルが閉じる手前で自然乾燥になってしまうため、髪はダメージを受け、パサつきます」
●シャンプーは保湿タイプより頭皮ケアを謳ったものに
シャンプー選びも、年齢を重ねたら視点を変える必要がある。
「若いときは、髪を保湿するタイプのシャンプーを選ぶことが多いですが、年齢を重ねて細くなってきた髪を保湿してしっとりさせると、ボリュームが出ない原因になります。年を取ってきたら、頭皮ケアを謳ったシャンプーやトリートメントで頭皮に栄養を与え、頭皮マッサージをして血行をよくするなど、根本的なケアが必要です」(船津さん)
近年、白髪染めの煩わしさから解放され、より自分らしく生きるための象徴として「グレーヘア」がブームになっているが、うかつに流行に乗るのはリスクも大きい。
「グレーヘアをよく見せるポイントはツヤとまとまりです。グレーヘアは普通の黒髪よりパサついて見えやすいため、清潔感が失われやすい。スタイリング剤をつけてツヤを出したり、まとめ髪にするなどの工夫が不可欠です。グレーヘアにしたいけど、ロングヘアの手入れをできる自信がない場合は、ショートカットにするのも手です」(船津さん)
グレーヘアにしてみたものの、憧れのあの人のようにはいかないと悩んでいる人は、お手入れ不足の可能性大。正しいブローのやり方を行きつけの美容院で教わるだけでも印象は大きく変わるはずだ。
30種類以上あるともいわれる表情筋だが、そのほとんどは自分の意思で思いどおりには動かせない。
感謝の気持ちがある人は品もある
清潔感とともに、知らず知らずのうちに失っているのが「品格」だ。現代礼法研究所代表の岩下宣子さんが指摘する。
「年を取ると、『自分がどうありたいか』『人からどう見られたいか』を若いときほど考えない人が増えます。すると、自分を律する心がなくなって品位を失い、だらしなくなってしまう。具体的には、『人の悪口を言う』『人のせいにする』ことなどが、品位を失う人の特徴です」
こうした心のありようは、いくら外見を着飾っても隠せない。無意識のうちに表情に表れると岩下さんが続ける。
●感情と連動して表情筋が勝手に動く
「顔の表情を動かす『表情筋』は30種類以上あるといわれますが、そのうち自分の思いどおりに動かせる筋肉はまぶたと口と舌の3つだけ。それ以外は感情と連動して勝手に動きます。心の中で意地悪なことを考えていると、途端に顔つきも意地悪になります」
●周囲に感謝を伝えるなどいい言葉を使っている人は美しくいられる
品位を保ち、好感を持たれる表情を身につけるには、言葉遣いを改善するべきだ。
「『どうせ私なんて』という後ろ向きの言葉を使っていると、表情も暗くなります。逆に、周囲の人に感謝して、『ありがとう』という気持ちをよく伝えている人は、自然とその気持ちが表情にも表れる。いい言葉を使っている人は美しくいられるのです。ただ、子供の笑顔と違って、大人の笑顔には『この人、どんな人なのかしら』という猜疑心(さいぎしん)や警戒心も含まれてしまう。相手に関心を持ち、相手の話を聞こうとする好奇心を持てば、“いい笑顔”を身につけられるはず」(岩下さん)
内面を磨き、その内面を引き立たせるために外見を磨く人が、「美しい人」になれるのだ。
教えてくれた人
船津有史さん/美容師でヘアメイクアップアーティスト
岩下宣子さん/現代礼法研究所代表
※女性セブン2022年1月1日号
https://josei7.com/
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