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今年卒寿を迎える高木ブー「まだまだ新しいことに挑戦します」

「お正月はのんびり過ごしてエネルギーを蓄えました。今年も元気に過ごして、いろんなことに挑戦したい。応援よろしくお願いします!」と、2022年に向けてますます張り切る高木ブーさん。去年はザ・ドリフターズにあらためて注目が集まり、最年長のブーさんも八面六臂の大活躍だった。怒涛の勢いは、さらに続きそうである。(聞き手・石原壮一郎)

家族でゆっくり過ごすお正月でした

 もう11日だから「明けましておめでとうございます」じゃないのかな。今年もよろしくお願いします。東京に大雪が降ったり、おとなしくなったと思ったコロナウイルスがまた暴れ出したり、なんだか騒がしい年始になっちゃったよね。

 おかげさまでこのお正月は、のんびり過ごしました。おもに寝てたから、ずいぶんエネルギーを蓄えられたと思う。起きてきては、娘のかおるが作ってくれた白出汁のお雑煮を食べたり、お節料理をつまんだり、いただきものの珍しい日本酒をチビチビやってみたり。忙しくてお正月も仕事してた頃は「家族でゆっくり過ごすお正月」に憧れてたけど、考えてみたらそれが実現してるわけだもんね。幸せなお正月だったってことかな。

 箱根駅伝も面白かった。今年は母校の中央大学がずっといい位置で走ってたから、テレビの前での応援にも力が入ったな。在学中に体育館で駅伝チームの壮行会に行ったときのことを思い出しちゃった。スタートの1区で2年生の吉居君が途中からトップを独走して、いきなり区間新記録を出したのはビックリしたよね。最終的な総合順位は6位で、久しぶりにシード権を獲得した。どの選手も、よく頑張ったよ。

昨年の話をすると鬼ならぬ雷様が笑う!?

 大晦日の夜は、日本武道館で「ももいろ歌合戦」があった。ももクロの高城れにちゃんと仲本(工事)の3人で、雷様になって「ダイアナ」を歌ったんだよね。仲本がエレキ、僕がウクレレを弾いて。トークというかボヤキのコーナーもあったんだけど、お客さんも盛り上がってくれて嬉しかったな。11月に続いて、去年は2回も日本武道館のステージに立っちゃった。出演したアーティストの最高齢記録も、ちょっと更新だね。

 この3人で何度か雷様をやってるけど、とうとう「イナズマこぶたランド」っていうユニット名が付いちゃった。最初聞いたときには「こぶた」って僕のことかと思って、「オレ、大ぶただよ」って言ったんだけど、そうじゃなかった。「こ」が仲本、「ぶ」が僕、「た」が高城れにちゃんで「こぶた」なんだって。よく考えたよね。「ももいろ歌合戦」の様子は、ABEMAで全編無料見逃し配信中らしいから、よかったら探してみてください。

 もうひとつ大晦日には、テレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」の放送もあった。加藤(茶)と仲本と僕の3人で、歌ったり「ドリフの早口ことば」をやったりしたんだけど、直接の知り合いからも僕のインスタのコメントでも、けっこう反響が大きかったな。

「帰省中の実家で高齢の両親と見ました。『毎週、みんなで見てたね』なんて言いながら、自分が小学生だった頃の思い出をたくさん語り合うことができました。ドリフのおかげです。ありがとうございました」なんてメッセージももらった。こういう声を聞くと、長くやり続けている意味をあらためて感じるよね。こちらこそありがとうございます。

 来年の話をすると鬼が笑うって言うけど、去年の話をしてると何が笑うのかな。もしかしたら雷様かな。ハハハ。あっ、やっぱりそうだった。

3月には数え年で卒寿です

 今年に入って、さっそくスタートしてるのが、3月20日(日)に「Billboard Live YOKOHAMA」である「1933ウクレレオールスターズ」のライブの準備。ちょっと前の8日は僕の89歳の誕生日なんだけど、そのお祝いのライブでもあるらしい。僕としても、年を重ねるんだから新しいことに挑戦しないとね。

「卒寿」っていうのは90歳だっけ。でも、あれって数え年でもいいらしい。とすると、今年だよね。来年の楽しみに取っておく手もあるけど、早めにやっちゃってもいいかな。「やっちゃう」って言っても、家族での誕生日祝いのケーキにそう書いてもらったり、ライブのときに「卒寿です!」って言ったりするぐらいの話なんだけど。

 もともとは「卒」の俗字が「卆」(九十)だから、90歳を「卒寿」と呼ぶようになったらしい。字としては「卒業」の「卒」で、なんだか人生を卒業してしまうみたいな悪い意味にも取れる。でも、僕はそうは思わない。「卒業」っていうのは学校にしても仕事にしても、次のステージへの入口でもあるよね。だから、自分も卒寿を迎えて、人間として次のより高いステージに上るんだって考えてます。まあ、僕の勝手な解釈ですが。

 そんな感じで、2022年も元気に過ごして、いろいろ欲張りながら挑戦していきます。ドリフとしても、歌やコントをどんどんやっていきたいね。高木ブーが何をやり始めるか、楽しみにしていてください。

ブーさんからのひと言

「さあ、2022年がスタートしました。早速、新しいことに向けて動き始めています。一緒にたくさんワクワクしましょう。今年もよろしくお願いします」

高木ブー(たかぎ・ぶー)

1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『Hawaiian Christmas』『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)など。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も大好評。6月に初めての画集『高木ブー画集 ドリフターズとともに』(ワニ・プラス)を上梓。毎月1回土曜日20時からニコニコ生放送で、ドリフの3人とももクロらが共演する『もリフのじかんチャンネル ~ももいろクローバーZ×ザ・ドリフターズ~』が放送中。3月20日のライブ「1933ウクレレオールスターズ ウクレレ七福神の来港! 〜ヨコハマに春がやって来た」は、1月19日からチケットの一般販売がスタート(会員先行販売もあり)。→チケット情報はこちらをクリック

取材・文/石原壮一郎(いしはら・そういちろう)

1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」など著書多数。最新刊「【超実用】好感度UPの言い方・伝え方」が好評発売中。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。

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