磯野貴理子、爆笑問題の田中裕二も感じた「脳梗塞」「くも膜下出血」の超初期症状
心臓や脳の病気の兆候はどう見分けるべきなのか。
狭心症や心不全など「心疾患」の初期症状として、専門家が真っ先にあげるのが「息切れ」だ。
心不全や狭心症:息切れや胸の痛み
「坂道や階段を上がったときに息切れや胸の痛み、せきの症状があるものの、少し休んでいれば治まる。これらは心不全や狭心症、心臓弁膜症の初期症状である可能性があります。病状が進行して心筋梗塞になった場合、激しい痛みが生じ、横になって休んでいても改善しません」(慶應義塾大学病院心臓血管外科診療科部長・志水秀行さんさん)
医療やヘルスケアなどを専門とするJ&Tプランニング代表で『危険な病気の意外な予兆69』の著書がある市川純子さんによると、その痛みは独特の苦しさを伴うという。
胸に鉛の塊をのせたような重苦しさが続く
「胸の中心あるいは左側に鉛の塊をのせたような重苦しさがあり、30分ほど続くことが多い。これに加えて発汗や吐き気を伴うこともあります」
コロナ自粛で運動をせず、テレワークに移行して通勤のための駅の階段の上り下りもしなくなれば、これらの兆候を感じる機会が減ってしまう。突然起きる痛みには、すぐに対処が必要なケースもある。
「発作的に起こり、かつ、それが以前に感じたことがないような痛みなら、大いに警戒しなければなりません。時間がたてば治まることもありますが、繰り返すほど危険性が増すので、すぐに病院を受診してほしい。
耐えられないほどひどい痛みがある場合は、大動脈の血管が裂ける“動脈解離”の可能性が。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。胸部大動脈解離では背中側に、腹部大動脈解離では腰から背骨に沿って、腸管動脈であれば腹部に猛烈な痛みを感じると覚えておいてほしい」(菅原脳神経外科クリニック院長・菅原道仁さん)
「靴や指輪がきつい」も要注意
足のむくみも、心疾患の初期症状として現れる。
「足がむくんだので“コロナ太りかな”と思っていたら、心不全を起こしたというケースもあります。心臓の機能が低下することで充分な血液を送り出せなくなり、腎臓に流れる血液が減少。すると排出する水分量が減って体にたまってしまうため、むくみにつながるのです」(志水さん)
初期症状として手足のむくみにより、靴や指輪が急にきつく感じるようになるケースもある。
市川さんが続ける。
疲労感、手足が冷える
「これらに加え、疲労感が強くなったり、手足が冷えたりすることも兆候のひとつ。総合的に判断することが重要です」
これらの兆候は、少し神経を研ぎ澄ませば敏感に感じ取ることができるだろう。
糖尿病の場合は症状を感じにくくなることも
しかし、糖尿病を患っている場合は事情が異なる。
「糖尿病の合併症には神経障害があげられ、感覚が鈍くなるケースもあり、こうした症状を感じにくくなることが多い。例えば狭心症の人が感じやすい胸の圧迫感なども、糖尿病に罹患している場合は感じにくく、病気が進行するまで気づかないことがあるのです」(志水さん)
心臓病の兆候に気を配りつつ、巣ごもり生活による運動不足や食べすぎで、血糖値が高い状態になっていないかにも注意してほしい。
息苦しさやむくみなど痛みや見た目の変化に現れる心疾患に対し、脳の病気の兆候は日常生活における違和感に潜むことが多い。