磯野貴理子、爆笑問題の田中裕二も感じた「脳梗塞」「くも膜下出血」の超初期症状
これらの初期症状に心当たりがあった場合、どう対処すべきか。
「すぐに病院を受診することです。コロナが心配で病院を受診せずにいると、手遅れになりかねません。電車やバスで遠くの病院に行くのは心配でしょうから、まず地元のかかりつけ医に診てもらいましょう。その判断に従って、専門病院で検査を受けるなど、次のステップに進めばいい」(志水さん)
菅原さんは脳梗塞などを引き起こした際の対処法として「FAST(ファスト)」というキーワードを提唱する。
「F(FACE)=顔のまひ、A(ARM)=腕のまひ、S(SPEECH)=ろれつが回らない。これらの症状が出たらすぐに救急車を呼びましょう。
T(TIME)=病院につくまでの時間が回復のカギを握っているからです。
検査時間を考慮すると、発症から3時間以内に病院に到着するのが理想的で、受診が早ければ“tPA”という薬を使って血栓を溶かすことができます」(菅原さん)
救急車を呼ぶべきかどうか迷ったときには、「相談窓口」に電話を入れるのも一案だ。
「例えば東京都なら東京消防庁救急相談センター(#7119)など、各都道府県に無料相談窓口がある。そこに電話して病状を伝え、判断を仰ぐのもいいでしょう」(菅原さん)
日頃からの予防対策、備えも大切
こうした“もしものとき”への備えとともに、予防にも積極的に取り組みたい。
「食生活で気をつけたいのは脂質と塩分の摂りすぎです。脂質は高コレステロールにつながり、血管がつまりやすくなります。
一方、塩分の摂りすぎは血圧を上昇させ、血管に負担がかかるうえ心臓にも悪い。これらを控えつつ、こまめに水分を補給することが重要です。脱水も血管がつまる一因です」(志水さん)
食事内容に気を配った後は、自分の体と向き合いたい。
「マスクをして人混みのない道で散歩やジョギングなど適度な運動で摂ったカロリーを消費することも心がけてほしい。糖尿病リスクが高い人はこまめに血圧を測り、数値を知っておくことも早期発見につながります」(志水さん)
定期的に検診を受け、体の状態を常日頃から自分で把握しておくことが、はじめの一歩になるだろう。
教えてくれた人
志水秀行さん/慶應義塾大学病院心臓血管外科・診療科部長、市川純子さん/J&Tプランニング代表、菅原道仁さん/菅原脳神経外科クリニック・院長
※女性セブン2021年6月10日号