冬の避難所生活用に備えておきたいグッズを紹介|就寝環境を劇的に良くするものとは?
地震や災害は、いつ起こるかわからない。冬の厳しい寒さの時期に避難することになったら…。いざというときに困らないためのノウハウを専門家が伝授します。
10℃以下では凍死する人も…寒さ対策は必須
災害時に必要となる防災グッズは、季節によって異なる。これから迎える本格的な冬に備え、強化しておきたいのが寒さ対策だ。
「外気温が10℃以下になると屋内でも凍死者は出ます。寒さは想像以上に体力・気力を奪うため、寒さを想定した対策を講じる必要があります」
と語るのは、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんだ。
寒い避難所で役立つ寝具とは?
特に重要なのが避難所の就寝環境だという。
「避難所の床は硬くて冷たいため、新聞紙や段ボールを敷いた程度では寝づらい。夜間の冷え込みや底冷えで眠れず、体調を崩す人が多いんです」(高荷さん・以下同)
では、そんな状況を回避するために用意しておいた方がいいものは何か?
「おすすめは、空気を入れて膨らませるエアマットです。
床との間に距離ができるので地面からの冷気が伝わりにくいからです。エアマットを敷いて寝袋で寝るのが理想ではありますが、災害時にいきなり寝袋で寝ると、慣れていないせいで窮屈に感じ、眠れないことも。その点、エアマットは、マットの硬さも空気の入れる量で調整でき、毛布やブランケットをかければ普段の布団やベッドに近い状態で眠れます」
エアマットなら、空気を抜けばコンパクトになるので、非常用袋にも入る。避難所には毛布なども備蓄されているが、全員に行き渡らない可能性もあるので、アルミブランケットや圧縮毛布などと共に家族分用意しておこう。
●エアマット
●アルミブランケット
●防災用圧縮毛布
備えておきたい冬の防災グッズはこれ!
そのほか、冬の防災グッズとして用意しておきたいのが、以下のものだ。
・カセットコンロとガスボンベ
・使い捨てカイロ
・レインウエアなど
それに加え雪国の場合、石油ストーブやカセットガスストーブなど暖房器具があると心強い。
●カセットコンロとガスボンベ
●ガスボンベ
●使い捨てカイロ
●レインウエア
非常食も、体温を上げるためにインスタント食品(カップ麺、みそ汁、スープなど)やレトルト食品(カレーや丼ものなど)など、温めて食べるものを用意しておこう。
ただし、避難所で自分たちだけ湯を沸かし、温かいものを食べるというのは、周りの目もあるため、ほぼ不可能だという。そのため、無理に非常用袋に入れる必要はない。在宅避難や車中泊避難を想定して、車のトランクや玄関など、取り出しやすい場所に保管しておこう。
教えてくれた人
備え・防災アドバイザーの高荷智也さん
取材・文/鳥居優美 イラスト/大窪史乃
●大地震が起きたら…足腰の悪い高齢の親と2人暮らし。どうやって避難する?