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健康

最期まで自分の足で歩くために必要なこと3つ|靴選び、ウオーキング、あと1つは?

 WHO世界長寿ランキングでは2位にランクインする“長寿大国ニッポン”。しかしその実態は年間200万人超がベッドの上での生活を余儀なくされる“寝たきり大国”だ。最期まで元気で朗らかに生きるためには何が必要なのか。

 理想の死に方とされる「ピンピンコロリ」の体現者に共通する習慣で最も重要といわれているのが「歩行」だ。最期まで自分の足で歩くためのウオーキングに必要なこととは?

1.健脚のためには靴選びが重要

 ピンピンコロリの第一条件は「健脚である」こと。体現する人は日常的にウオーキングを取り入れている。しかし、やみくもに歩いても逆効果。

 特に、『“歩く力”を落とさない!「新しい足」のトリセツ』などの著書がある足の専門医・久道勝也さんは、

最期まで健康を維持する人は合わない靴は絶対に履かない」と断言する。

「正しく歩くことは、簡単そうで意外と難しい。歩き方や姿勢よりも、靴選びから始めてください。特に合わない靴を履いてウオーキングをするのは逆効果。足を傷つけ、結果的に寿命を縮めます」(久道さん)

 久道さんが、靴選びのポイントをアドバイスする。

「まず、つま先と靴の間に余っているスペース『捨て寸』が約1~1.5cmある靴を選ぶこと。

 サイズが大きすぎると、指や前足部をしっかり固定することができずに、外反母趾など足の不調の原因になり、転倒もしやすい。逆に小さすぎれば指が圧迫されて、巻き爪やハンマートゥになる可能性があります」

→50代からの靴選び…足に優しい靴5つの条件|足のアーチに合う靴って?

→スニーカーの選び方|痛くなくラクに歩ける靴選びのポイントとおすすめ最新スニーカー

最期まで歩ける足を作る靴選び

最適な靴のサイズ図解

【1】1つま先と靴の間に余っているスペース『捨て寸』が約1~1.5cmある靴を選ぶ。大きすぎると、外反母趾などの原因になり、小さすぎれば巻き爪やハンマートゥになる可能性が。

【2】母趾つけ根と小趾つけ根から足首側に近い“足のウエスト部分”がぴったり合っていれば足の疲れが軽減される。

【3】靴底は、ほどよい厚みがあるものを。

【4】かかと部分はある程度硬いものを選ぶことで滑りにくくなる。

→スニーカーの選び方|痛くなくラクに歩ける靴選びのポイントとおすすめ最新スニーカー

2.ウオーキングは目標を決めない

 ぴったりの靴を見つけたら、さっそくウオーキングに取り組みたい。そのときについ考えてしまうのが、「何歩歩くのを目標にするか」ということ。しかしピンピンコロリの人は「目標を決めない」という。

「“1日○歩で病気にならない”というような言説は複数ありますが、歩数や時間は自分で決めるのが鉄則。

 決して無理はせず、足が痛くなったら歩くのをやめること。高齢になると痛みに鈍感になるので、靴擦れができていないかなど、目で確認することも忘れないで」(久道さん)

 痛みがとれなければ、医師の診察を受けること。少しずつでもいいから、毎日続けて歩行機能を維持することが大切だ。

→ピンピンコロリで逝った人がしていた5つのこと|寝たきりにならず最期を迎えるには?

3.ストレッチをして足の負担を軽減

 ウオーキングと一緒に、日常的にストレッチを取り入れればさらに効果的だ。

「体の柔軟性や筋力は予想以上に低下していることが多く、足への負担も増えています。アキレス腱のストレッチで足への負担を軽減するといいでしょう。週3~4回くらいを目安に行ってください」

アキレス腱ストレッチのやり方

壁に手のひらをつけてストレッチの態勢のイラスト

【1】壁に手のひらをつけてひじをまっすぐ伸ばし、両足のつま先の方向を壁に垂直にして左足を後ろに少し引き、足を前後に開いて立つ。

壁に手を付けてアキレス腱を伸ばすイラスト

【2】右ひざをゆっくり曲げながら左足のアキレス腱が伸びるのを感じてそのまま60秒キープ。右側も同様に行い、5回繰り返す。

 久道さんは、ウオーキングやストレッチは、足の筋力の衰えを感じる高齢者だけでなく、40~50代にこそ実践してほしいと話す。

「世界各国で、コロナの影響で歩行数が減ってきていることがわかっています。日本では、中年世代の歩行数がいちばん落ちている。

 意識してケアしないと、中年世代が高齢化する頃には、いまの高齢者よりも足の筋力が衰えている可能性が高い。いくら医療技術が進歩して、新しい薬ができたとしても、体の機能の衰えを治すことはできない。ピンピンコロリのためには、日頃からどれだけエクササイズをしてきたかがポイントになります」(久道さん)

 日々の鍛錬は医療に優る。東京都立大学名誉教授で健康長寿に関する研究の第一人者の星旦二さんが言う。

「ピンピンコロリの人は医師に頼らない。実際、病院にかかって入院した場合、その日数が増えるほど足の筋肉が弱って健康寿命が短くなります。それどころか『医療者から好ましい生活習慣を指導され行動変容した人よりも、放置した人の方が15年後の生存率が高かった』というスウェーデンの調査すらあるのです」(星さん)

イラスト/飛鳥幸子

教えてくれた人

足の専門医・久道勝也さん

※女性セブン2021年1月1日号
https://josei7.com/

●やっぱり歩行は健康のカギ “1日8000歩、20分の速歩き”が目標

●歩行困難だった高齢者がスタスタ歩けるように!正しい姿勢と呼吸法を身につける「ケアピラティス」って?

●リハビリ看護師が説く「健康長寿」3つの柱

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