加藤タキさん「白髪にしたことで心も見た目も若返った」
近頃はあえて白髪を染めない女性も増えているというが、美しいグレーヘアを楽しむのもそう簡単ではない。そこで、グレーヘアが美しいコーディネーターの加藤タキさん(73才)に、お話を訊いた。
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髪は黒くなければいけないと思い込んでいた
「白髪が増えたのは、28才で離婚した時。遺伝を考えても白髪が多いことは覚悟していましたが、“こんなに早くくるとは”と、愕然としました」
そう話す加藤さん。28才にして早くも白髪染めをスタートしたという。
「当時は色の定着が悪く、髪を洗うと水が黒くなったり、枕が黒く染まることも。すぐに根元が白くなるので、生え際を見られないよう、人前でしゃがむことを躊躇していた時もありました」
それでも、“髪は黒くなければいけない”と思い込んでいた加藤さん。意識が変わったのは、45才の頃、アメリカに出張した時のことだという。
米国でまだらな白髪ヘアをほめられた
「見知らぬ女性から“あなたのメッシュヘア、ステキね”とほめられたんです。その時はまだらな白髪ヘアだったのですが、まさかそれをほめられるなんて、日本では考えられません。でも、これがきっかけで染めないことを決意しました」
染めることをやめ、本来の髪色になると、心が自由になり、心地よく暮らせるようになったという。
「慣れないうちは、周囲から老けて見られるのは事実。だからこそ、スキンケアやファッションには一層気を使うようになりました。結果的には白髪にしたことで心も見た目も若返ったと思います。自然体の白髪であることは自分の解放。勇気をもって一歩踏み出すと、楽しい世界が待っています」
加藤タキさん
1945年東京都生まれ。米国報道誌の東京支局勤務を経て、ショービジネス・コーディネーターとして独立。公演、テレビ、各種委員、執筆など幅広く活動。「AAR Japan[難民を助ける会]」副会長。
※女性セブン2018年5月3日号
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