中尾ミエ、グレーヘアを語る「女性の魅力は若さだけではない」
年齢とともに増えていく白髪。若さを保ちたいと思い、白髪染めをする人も多いが、あえて白髪のままの美しさを求める人も。歌手・女優の中尾ミエさん(71才)に美しいグレーヘアの秘密を訊いた。
「30代後半くらいから、白髪が目立ち始めて、当時はずっと染めていましたね。でも、テレビ画面に映る時は、1mmでも根元が白くなると目立ってしまうんです。なので、こまめに染め続けなくてはならない。どのみち、白髪は増えるわけですから、いつ染めるのをやめて、地をさらすか、そのタイミングを考えていました」
と言う中尾ミエさん。その時が訪れたのは50代後半。画面に映った自分を見て、髪は黒々としているのに、顔は年齢相応で、バランスが取れていないことにハッとしたのだという。
「染めるのをやめようと決意したものの、いきなり白にするのではなく、まずは、ショートヘアにして黒髪の一部を脱色し、メッシュを入れて、徐々に地色に近づけました」
白髪染めをやめてからの大きな変化は、髪質が変わったことだという。
「それまでは猫っ毛で、すぐにぺちゃんこになっていたのに、髪が強くなって、毛量が増えたんです。これはうれしい変化でしたね。隔週で行っていた美容院も3か月に1回程度になりました。その一方で、髪のつやを維持するため、毎日使うシャンプーやコンディショナーは質のよいものに変えました」
加齢を受け入れると人間的な魅力も深まる
グレーヘアにしたことで、日常生活への意識も変わったという。
「髪が白いとどうしても老けて見えるので、その他のことに気を使うようになりました。私の場合は、体形の維持、姿勢、健康的な食生活をするなど…。これは今でも続いていて、体力維持につながっています」
髪色が変わると、似合う服が変わるので、新しい自分を発見できるのも楽しいという。
「日本では、女性の若さがもてはやされます。でも、グレーヘアにしたことで、女性の魅力は必ずしも若さだけではないことがよくわかりました。自分の加齢を受け入れると、さまざまな経験をして、年齢を重ねた女性ならではの深みや包容力に自ら気づけるんです。それが自信に繋がり、さらなる人間的な魅力を深めることができると感じています」
中尾ミエ
1946年生まれ。1962年に歌手デビューし、『可愛いベイビー』で大ヒットを記録。現在はテレビ番組でのコメンテーターや、舞台などで活躍。日本の“グレーヘア美人”の代表的存在となっている。
※女性セブン2018年5月3日号
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