健康

食のプロ7人が選んだ「免疫力を高める世界の食品ベスト5」

●選者:「老化」と「食事」のパイオニア 下方浩史さん/名古屋学芸大学健康・栄養研究所所長

1位:ザワークラウト(ドイツ)

 キャベツを乳酸菌で発酵させた肉料理に欠かせないドイツのスーパーフード。食物繊維、抗酸化ビタミンが豊富。

2位:フェタチーズ(ギリシャ)

 ヤギや羊の乳から作られた現存する世界最古のフレッシュチーズ。乳酸菌とビタミンAが豊富に含まれる。

3位:アンチョビ(ヨーロッパ)

 熟成させた塩辛い小魚のオイル漬け。亜鉛やセレンなどのミネラル、ビタミンDがたっぷり。

4位:臭豆腐(しゆうどうふ)(台湾)

 豆腐を納豆菌や酪酸菌で発酵させた汁に漬け込んで作る“おつまみ”。腸内細菌の良質なエサとなるオリゴ糖も含まれる。

5位:テンペ(インドネシア)

 テンペ菌で大豆を発酵させたインドネシアの納豆。大豆イソフラボン、食物繊維が豊富。揚げものや炒めものに最適。

●選者:世界の食文化を専門に研究 小倉朋子さん/トータルフードプロデューサー

1位:カムカム(南米)

 赤い果実でブラジルやアマゾン川流域のみに生える。赤ワインの10倍のポリフェノールを含有し、抗酸化作用が期待できる。

2位:ゴジベリー(中国)

 通称「クコの実」。ビタミンA・B類、カルシウム、リン、ルチンなど免疫機能を保持する栄養素が豊富。

3位:モリンガ(インド)

 和名は「ワサビノキ」。ほろ苦さが特徴の植物で、レタスの18倍の食物繊維が腸内環境を整える。

4位:ザクロ(イランほか)

 ポリフェノールの一種である「エラグ酸」「レスベラトロール」「アントシアニン」などが、体内の防御機能を高める。

5位:イタリアンパセリ(イタリア)

 ドレッシングにも使われる香味野菜。免疫機能を活発にするβカロテンやビタミンCが豊富。

●選者:「健康検定協会」を主宰 望月理恵子さん/Luce代表取締役、管理栄養士

1位:にんにく(スペインほか)

 主成分の「アリシン」が免疫細胞「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化。強力な殺菌、解毒作用があり、血行促進の働きもある。

2位:エメンタールチーズ(スイス)

「プロパイオティクス」という微生物が腸内フローラに働きかけ、腸内の異常を改善する。

3位:カムカム(南米)

 ビタミンC含有量は世界一。抗酸化作用の高いポリフェノールも豊富で、風邪予防に最適。

4位:オリーブ(スペイン)

 抗菌、抗ウイルス作用があり、体を病原菌から守る。ポリフェノールの一種「オレウロペイン」は動脈硬化予防にも。

5位:ベジマイト(オーストラリア)

 野菜をイースト菌で発酵させた塩辛いペースト状の調味料。葉酸をはじめとしたビタミンB類を豊富に含む。

●選者:シェフとしても活躍する内科医 関由佳さん/内科医、料理研究家

1位:ヘンププロテイン(オーストラリア)

 麻の実をすりつぶして、粉末状にしたもの。解毒に必要な含硫アミノ酸、日本人に不足しがちなマグネシウム、亜鉛などが豊富。ヨーグルトなどに混ぜて食す。

2位:ビーツ(ロシア)

 ボルシチなどに使われる野菜。赤紫の色はポリフェノールの一種で、「ベタレイン色素」と呼ばれ、高い抗酸化作用を持つ。

3位:コンブチャ(アメリカ)

 紅茶を発酵させて作る植物性の飲料。ロサンゼルスやハワイからブームに火がついた。乳酸菌がたっぷりで、調整作用が期待される。「昆布茶」とは別物。

4位:スピルリナ(アメリカ)

 らせん状の微細藻類。5大栄養素をはじめ、食物繊維、抗酸化作用のある「植物性色素」など60種類以上の栄養素を含む。

5位:ゴールデンミルク(アメリカ)

 抗酸化、抗炎症、解毒作用に優れている香辛料の「ターメリック」と、ミルクを合わせたドリンク。ニューヨークから一大ブームに。

●選者:女性の美と健康をサポート 中沢るみさん/管理栄養士、野菜ソムリエ

1位:テンペ(インドネシア)

 バナナの葉で大豆を包み発酵させる。栄養は日本の納豆とほぼ同じで、たんぱく質が豊富。味にくせがなく、肉の代用品としても使われる。

2位:クーミス(モンゴル)

 馬の乳から作られた発酵乳。酸味があり、飲むヨーグルトのような味わい。ウイルス性の肺炎に効果的といわれている。

3位:ケフィアヨーグルト(コーサカス地方)

 腸内環境を整える「ケフィア菌」は、コーカサス地方の“長寿の源”とされる。パスタなどの料理にも多用される。

4位:腐乳(中国)

 豆腐をもろみに漬け込んだ発酵食品。消化吸収を促す。「東洋のチーズ」と呼ばれるほど濃厚。

5位:ガラムマサラ(インド)

 ジンジャー、シナモン、クローブ、ナツメグ、クミンなどが入ったミックススパイス。防腐、抗菌、殺菌効果が望める。

●選者:世界各国の最新医学に詳しい医師 佐々木欧さん/秋葉原駅クリニック・内科医

1位:ザワークラウト(ドイツ)

 キャベツを乳酸発酵させた伝統料理。発酵により増加したビタミンCの抗酸化作用が期待される。乳酸菌と食物繊維も豊富で整腸作用も。

2位:ギー(インド)

 牛やヤギの乳を加熱処理し、不純物をのぞきバター状にした万能オイル。ビタミンA・Eなど抗酸化作用のある脂溶性ビタミンが豊富。

3位:エルダーフラワー(ヨーロッパ)

 古来からインフルエンザの特効薬とも呼ばれるハーブ。豊富な成分「ケルセチン」には抗酸化作用、抗炎症作用、動脈硬化予防作用などがある。

4位:ルイボスティー(南アフリカ)

 現地では「不老長寿のお茶」として古来から親しまれてきた。ポリフェノールの一種「ケルセチン」が豊富なほか、肥満や血糖値上昇の抑制も期待される。

5位:オートミール(欧米)

 燕麦(えんばく)という穀物を脱穀したもの。ビタミン、ミネラル、食物繊維など栄養豊富で、腸を整えてくれる。

●選者:漢方に精通した国際中医薬膳師 清水加奈子さん/管理栄養士

1位:ナツメ(中国)

 鉄分、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルのほかポリフェノールが豊富で免疫機能を高める。「ナツメを1日3粒食べると老いない」という言い伝えも。

2位:朝鮮五味子(ごみし)(韓国)

 秋にとれる赤い実で、湯や水で淹れてお茶として飲む。レモンの8倍のビタミンCを含有。抗酸化作用、疲労回復、新陳代謝を向上。

3位:ルバーブ(ヨーロッパ)

 赤みがかった茎が特徴のタデ科の野菜。砂糖で甘く煮て、ジャムやパイの具として食べる。食物繊維が豊富で、腸内環境を整える。

4位:トラジ(韓国)

桔梗の根で、ナムルとして食べられることが多い。苦味の成分「サポニン」はウイルスや細菌から体を守り、呼吸器疾患の漢方薬として用いられる。

5位:タロイモ(ハワイ)

 茎の部分をふかし、練って発酵させた料理「ポイ」は、ハワイの主食の1つ。いも由来の食物繊維のほか、乳酸菌が豊富で腸内環境を整える。

※女性セブン2020年6月18日号
https://josei7.com/

●免疫機能を調整・アップする!きのこ類・いも類の「おみそ汁」レシピ

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