外出禁止生活から約1か月の北イタリアが教えてくれる、コロナから家族を守る方法
4月7日、7都府県に緊急事態宣言が発令されてもうすぐ1週間。外出を控えるべきなのはわかってるけど、テレビの情報だけでは不安はぬぐえない。家族関係もきしみはじめている気がする。わたしたちこれからどうなるの?「ゆるい気持ちでいれば、ロックダウン生活も怖くない」。
全土ロックダウンから約1か月をむかえるイタリアは、引きこもり生活の先輩だ。北イタリア、トリノ郊外在住のフードライター、宮本さやかさんからアドバイスが届いた。
外出禁止生活はもう1か月以上
「お金はそこへ置いて。そう、離れて。そしたらコレをここに置くわ」
ドラマの中の、ヤクの密売シーン? と思わせるようなこのセリフは、昨日、我が家の門の前で交わされた宅配便のお姉さんと私の会話である。芝居の練習でも遊んでいるのでもなく、当の本人たちは至極まじめにこんなシーンを繰り広げた。
コロナウイルスで1か月前からロックダウン状態にある、北イタリアはピエモンテ州トリノに暮らす、私の家の庭先でのことだ。
届いたのは、キリスト教徒にとってクリスマスに次いで大切な行事である、復活祭(イースター)に食べる「コロンバ」。イタリア語で「鳩」を意味するコロンバは、私の住む北イタリア一帯では復活祭に欠かせないケーキだ。
コロナウイルス感染拡大防止のための外出禁止生活はもう1か月以上続いていて、外出は近所のスーパーか薬局、ペットショップに行くだけ。食べるには全く困らないけれど、有名パティシェのケーキやら、知る人ぞ知るこだわりのワインなどを探し歩いて楽しむことはできない。お菓子屋さんやエノテカは食料品とはいえ不要不急なので営業できないからだ。ただしテイクアウトやデリバリーならOKだから、多くのイタリア人が色々に活用している。
しかし、荷物の手渡しは近寄りすぎるからダメ。カードで支払ってある荷物なら玄関先にほっぽり出されていくし、代金引換の場合は、冒頭に書いたようになるというわけ。
私は週に1回まとめ買いをして、できるだけ外出しないようにしている。私がうかつに出歩いたせいで自分や家族にうつるのが何より怖いし、知らずに誰かにうつしてしまって、その誰かが重症になったり亡くなったするなんてありえない。
外出禁止の憂さ晴らしに、イタリアでは、1日に何度も買い物に出る人がいるというニュースもあったけど、私の周りの人たちは、だいたいみんな週1回程度で我慢している。