背が縮むと老けて見える 自分で改善できる傾向と対策
骨密度を維持するポイントは食事だ。骨のもととなるカルシウムとたんぱく質をしっかり摂るようにしたい。
「日本人、特に女性は若い頃からカルシウム不足です。厚労省が推奨するカルシウム摂取量は1日700mgですが、理想は1日800mg。最もおすすめできるのは、体内での吸収率が高い牛乳・乳製品で、小魚もいい。ほかにも肉や魚、大豆などたんぱく質は骨の材料になるので、積極的に摂るようにして」(伊木さん)
ちなみに牛乳200mlに含まれるカルシウム量は約230mgだが、摂取したすべてが体内に吸収されるわけではない。そこでカルシウムの吸収を助ける代表的な食材として、古賀さんは「酢」をすすめる。
「毎日大さじ3~5杯を目安に摂って。ただし摂りすぎは禁物。歯のエナメル質を溶かし、胸やけや胃酸過多を引き起こすことも」(古賀さん)
ビタミンDにもカルシウム吸収をサポートする働きがある。ビタミンDを増やすためには、「日光を浴びることが大事」と伊木さんは言う。
「日焼けするため、日本人は日に当たることを嫌う傾向がありますが、ビタミンDは紫外線に当たることで作られる。大多数の女性はビタミンDが不足しているので、肌に直接日光を当ててほしい。夏は紫外線が強いので日傘を差してもいいですが、せめて冬の間だけは、手には日焼け止めをぬらずに外出して」
古賀さんはレモン入りのアッサムティーが骨にいいとすすめる。
「動物実験の結果、紅茶に含まれる成分『テアフラビン』に、骨密度の低下を防ぐ効果があることがわかり、『テアフラビン』は特にアッサムティーに多く含まれています。またレモンに含まれるクエン酸には、カルシウムの吸収を促進する作用がある。紅茶にはレモンを添えるといい」
運動も重要だ。
「骨を強くするためには、適度な刺激を与える運動が推奨されています。代表的なのはウオーキングです。1日8000歩を目標に歩くといいでしょう」(伊木さん)
日の出ているうちに歩くことが、遠回りのようで実は背を縮ませない秘訣のようだ。
教えてくれた人
古賀昭義さん/市谷八幡クリニック院長。著書に『身長が2センチ縮んだら読む本』(秀和システム)がある。
伊木雅之さん/医学博士。近畿大学医学部教。
※女性セブン2020年2月27日号
https://josei7.com/
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