祝儀袋の書き方|表書き・中袋・連名・金額の漢字まで【写真付き】
祝儀袋を用意する際、表書きや中袋の書き方にはルールがある。個人は中央に書くが、連名で渡す場合の書き方とは? 壱、弐など漢数字の書き方は? マナーのプロに教えていただき、写真付きで解説する。
祝儀袋の表書き 連名、4人以上の書き方
表書きは、筆または筆ペンを使って書くのがマナー。慶事では墨がかすれないように気をつけ、弔事の通夜や告別式では薄墨を使うこと。涙で滲んでしまったという意味が込められているためだ。マナーアドバイザーの松本繁美さんが解説する。
「表書きは、本来受け取る側が情報をまとめやすいように書くものであるため、名前は楷書(かいしょ)ではっきりと書きましょう。御祝などの目的よりやや小さく書くとバランスがよいです。水引を外(はず)すと書きやすくなります」
中包みについては、旧字体で金額を書くことと、住所と名前を明記することを忘れずに。
祝儀袋 連名の書き方
【2~3人の場合】
右側から目上の人順に書く。3人の場合は最も目上の人を右側にし、順に左側に向かって書く。中央揃えにしても、目上の人の名前を真ん中にしてもよい。4人以上の場合は全員の名前を別紙で同封する。
夫婦連名の場合は、妻の名字は省略可。妻の名前は夫よりやや下に書くとよい。友人同士などの場合は姓名を同じ大きさで書く。名前はいずれも、1人目の名前が真ん中でも中央揃えでもよい。
【4人以上の場合】
袋には、代表者の名前だけを中央に書き、その左側に「外一同」と小さめに添える。
袋に書いた名前とは別に、半紙や奉書紙、白地の便箋などに代表者を含めた全員の名前を書いて同封する。上に目的を書き、目上の人から順に右側から書く。
祝儀袋の中包み 表に旧字体で金額を
表には金額、裏には住所と名前が必須。金額は旧字体が正式、お札の向きにも要注意! 中包みには、細字の筆ペンか万年筆を使う。金額を書き足せないよう、頭に「金」の字を書き、続けて旧字体で金額を書く。末尾に「也」はつけなくてもよい。
裏には名前と住所を書く。住所は、内祝いや香典返しの準備で、受け取り側が名簿作りの際に参照するため、必須。郵便番号も書くとより親切。
祝儀袋に書く漢数字の旧字体リスト
一(1)→壱
二(2)→弐
三(3)→参
五(5)→伍
十(10)→拾
千(1000)→仟、阡
万→萬
円→圓
「参萬圓」「伍仟圓」などと書く。
祝儀袋のお金の正しい入れ方
金額は改ざんできないよう旧字体で書く。割り切れる偶数は避けるが、慶事の場合、「ペア」を意味する「二」は可。
慶事の場合は新札を用意し、封筒の表とお札の表を揃えて、印刷されている人物の顔が上にくるように入れる。弔事の場合は、お札を裏にして、人物の顔が下になるように入れる。
弔事で新札を入れると、用意周到な印象を与えて失礼とされるため、新札しかない場合、一度縦に折って入れるとよい。
教えてくれたのは…
松本繁美さん/マナーアドバイザー、エル・ステーションLTD.代表。講師やメディアの監修で活躍。
撮影/下重修 イラスト/細川夏子
※女性セブン2019年11月21日号
●祝儀・不祝儀袋の選び方|今さら聞けないあれこれを専門家が詳細解説