入居者第一のハードとソフトを備えた小規模介護付有料老人ホーム＜後編＞

基本に忠実に取り組む認知症ケアと感染症対策

　ブランニュー杉並高井戸では、認知症や要介護の高い入居者への対応もしている。安藤さんは、一人ひとりに向き合うケアの重要性について話をしてくれた。

「認知症の方へはこういうケアをすればいい、という決まりきったものではなく、やはり一人ひとりに合わせた、その方の不安に向き合ったケアが必要です。認知症の方は、日々の暮らしの中で常に不安や混乱を抱えているので、個々の状況を捉えて、適切なケアをしていくというのを基本の考え方にしています。そのために小規模にして、人員配置を充実させています」

施設＿ブランニュー11 — 自室ではなく共用スペースで過ごす人が多いのもここの特長

　また、高齢者施設ならではのこんな努力も。

「基本的なこととして感染症対策には力を入れていますね。これからインフルエンザの季節を迎えるので、外から持ち込まないように徹底しています。また、介護スタッフの力が生活の質を左右するので、職員が働きやすい環境作りにも注力しています」

　たとえば、汚物関係の動線は入居者の使うスペースとは別に作り、感染症の原因と入居者を隔離し、清潔を維持しているのだそう。また、汚物のあるエリアの扉は病院の手術室のように手を触れずに入れるようにし、感染拡大の危険性を減らしている。確かに、抵抗力の弱まっている高齢者が集団で生活しているので、これからの冬の季節は特に注意が必要となってくる。

施設＿ブランニュー13 — 足を差し入れるとセンサーが反応し手を触れることなくドアがオープン

施設＿ブランニュー14 — 外部からの訪問者も1階の入り口の脇で手を洗い、うがいをしてから建物に入る

　また、今後、進めていきたいこととして、レクリエーションの種類を増やし、充実させていきたいと話してくれた安藤さん。スタッフ全体のスキルを底上げして、入居者一人ひとりの生活リズムを尊重し、これまでの暮らしと同じように過ごしてもらえるように努力を続けていきたいのだという。ここを自宅として、スタッフを家族のように思い、気兼ねなく過ごしてほしいという思いで運営されているブランニュー杉並高井戸。要介護認定を受けている場合は、一度相談してみてはいかがだろうか。

施設＿ブランニュー15 — まるでホテルのようなテラスで外の空気に触れるのも心地いい

撮影／津野貴生

【データ】
施設名：ブランニュー杉並高井戸
公式WEBサイト：http://brandnew-suginamitakaido.com/?lis=ovtrb10000042
所在地：東京都杉並区上高井戸2-11-45
最寄駅：京王井の頭線「富士見ヶ丘駅」より徒歩12分、京王線「芦花公園駅」より徒歩12分
類型：介護付有料老人ホーム
運営主体：株式会社トリニティ・ケア（ミサワホーム株式会社と三菱UFJリース株式会社の共同出資会社）
敷地面積：1590.35平方メートル
延床面積：1295.27平方メートル
室数：33室（定員33名）
入居要件：入居時に原則満65歳以上、要介護認定を受けている方、医療ケア要相談、認知症入居可能
構造：重量鉄骨造2階建
開設年月日：2016年5月
料金：
【1】月払いプラン／月額利用料36万2320円（税込）、入居一時金0円
【2】入居金プラン1／月額利用料19万3320円（税込）、入居一時金1014万～2281万5000円
【3】入居金プラン2／月額利用料24万3273円（税込）、入居一時金714万2900～1607万1500円
【4】入居金プラン3／月額利用料26万9463円（税込）、入居一時金557万1400～1253万5700円
（入居一時金は、入居時の年齢によって償却期間が5段階に分かれています）