「便もれ」は意外に多い悩み!その原因と対策を紹介
玄米といえば、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な健康食品だが、便もれを改善するにはおすすめできないという。排泄ケアの専門家であるNPO法人日本コンチネンス協会会長の西村かおるさんは、こう語る。
「玄米は消化しにくいため、未消化で大腸まで届くことが多く、下痢を引き起こしやすいんです」(西村さん)。
また、便秘外来を設置し、腸の病状に詳しい松生クリニック院長・松生恒夫さんによると、腸内環境によさそうなヨーグルトも注意が必要だという。
「腸内環境を整えるのに、乳酸菌を摂るのはいいのですが、ヨーグルトは動物性乳酸菌なので、胃液で死滅し腸の奥まで届きにくい。脂肪分も多いので、肥満の原因にもなります。どうせ摂るなら腸内でも死滅しにくい、ぬか漬けやみそなど、植物性乳酸菌がおすすめです」(松生さん)。
ダイエットにいいと話題になった赤身肉も問題が。
「赤身肉は、消化しにくいだけでなく、鉄分が多すぎて大腸がんの原因になるんです。国立がん研究センターの調査でも、肉を多く食べる日本人は、大腸がんになるリスクが高いことが明らかになっています」(松生さん)。
健康にいいといわれる3つの食材も、便もれ改善の面で考えるとNG食材なのだ。
朝食抜きは腸のストレスに
「排便にとても重要な、大腸の収縮運動“大ぜん動”が、最も強く起こるのは朝。これは、胃に食べ物が入ることで反射的に起こります。このタイミングを逃してしまうと、便が出にくくなり、体内にたまった便が腸内環境を悪化させ、さまざまな不調を引き起こします」(松生さん)
朝食を抜くと、肝心の便が出ないのに、液状の便液が出るという不調も起こるという。朝はしっかり食べて、しっかり出してから外出するのが理想的だ。
食物繊維も摂り方次第
食物繊維には、穀類や豆類、根菜類などに含まれる不溶性食物繊維と、海藻類や果物などに含まれる水溶性食物繊維がある。
「どちらか一方を摂るだけでは意味がなく、不溶性2:水溶性1とバランスよく摂ることが大切です」(松生さん)。
糖質制限ダイエットは便もれの敵
年齢問わず便もれになるのは、近年話題の糖質制限ダイエットが一因ともされる。
「炭水化物は糖質以外にも、食物繊維を多く含みます。これを急激に減らすと、便の元になり、排泄を促す食物繊維の摂取量も減り、排便障害になる可能性も。腸トラブル防止には、穀類、豆類、いも類は、むしろ食べるべきです」(西村さん)。
低糖質のブロッコリーなど、食物繊維が豊富な野菜を食べていればいいというほど排便は単純ではないのだ。
水分補給はしっかり
尿もれ対策のために、水分の摂取量を控えているという人も多い。しかし、便もれ改善のためにはこれもNG。
「水分は小腸で吸収されるので、大腸に届く水分はわずか。大腸の状態をよくし、排便を促すには、1日2L程度の水が必要です。下痢が心配な人は、常温の水を、ゆっくり飲むこと」(松生さん)
※女性セブン2017年10月12日号
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