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季節の変わり目に起こる【ゆらぎ肌】正しいケア術|3人の医師が教える10の心得

 毎年、春の訪れとともに肌トラブルが起きるのは、肌が“ゆらいで”いる証拠かもしれない。 季節の変わり目や生理前などに一時的に肌荒れする状態を「ゆらぎ肌」という。そのゆらぎが大きくなると、肌が強い人でも状態が悪化してしまうとか。状態がさらに悪くならないよう今からしっかりケアをしていこう。

教えてくれた人

柴亜伊子さん/あいこ皮フ科クリニック院長

高瀬聡子さん/ウォブクリニック中目黒総院長(高はハシゴダカ)

小村菜緒さん/菜のはなインナーケアクリニック院長

「ゆらぎ肌」ってなに?

 毎年、春の訪れとともに肌トラブルが起きるのは、肌が“ゆらいで”いる証拠かもしれない。あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんが解説する。

「『ゆらぎ肌』とは、季節の変わり目や生理前などに一時的に肌荒れする状態のことを指しているようです。正式な医学用語ではなく定義もありませんが、特にこの時期は環境の変化に肌が追いつかずに突然荒れたり、日によって肌状態が変わることに悩む人は少なくありません。

 春の肌荒れを放置したまま夏を迎えると、エアコンで冷えた室温と外気温の激しい温度差や強い紫外線で肌状態は悪化し、最悪の場合は赤黒く色素沈着を起こす可能性も考えられます」

最重要!「保湿」のやり方

 ゆらぎ肌のケアで最優先すべきことは「保湿」だ。だがそれも、方法や手順を間違えれば逆効果。

「保湿のための【1】パックは長時間つけている方がいいと信じている人もいますが、パックには肌への刺激になる添加物も含まれます。これを長時間顔にのせることは、肌荒れの悪化を招きます」(柴さん・以下同)

【2】スプレータイプの化粧水も、むしろ肌の乾燥を悪化させる。ウォブクリニック中目黒総院長の高瀬聡子さんは、

「水分だけを補っても、それが蒸発する際に肌内部の必要な水分も一緒に奪ってしまいます。使うなら、その上から乳液やクリームを塗る必要があります。重要なのは水分だけでなく、油分を補うこと。流行している【3】オールインワンジェルも、若者向けの商品や若い頃と同じものは油分が足りず、乾燥しがち。年齢に合わせて油分の多いものに変えましょう。

 乾燥が気になる部分にはクリームなどを二度塗りしてもいいですが、擦るのは厳禁。【4】塗り込んでも、皮脂膜に成分は浸透しません」(高瀬さん)

正しく選びたい「ビタミンC化粧品」

 水分保持力を上げるにはセラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸が効果的とされ、炎症を抑えるには「ナイアシンアミド」や「グリチルリチン酸ジカリウム」などの成分が有効だとされる。だが、効果があるのはあくまでも「成分」であって、それらを含む「商品」すべてが効くわけではない。その代表例が近年人気の【5】「ビタミンC」の化粧品だ。

 菜のはなインナーケアクリニック院長の小村菜緒さんが解説する。

「ビタミンCが肌にいいのは間違いありませんが、ビタミンC入りの化粧品を塗ったからといって、必ずしもゆらぎ肌が整うとは限りません。ビタミンCは『水溶性』『脂溶性』など種類が多く、クリニックでも一人ひとりの肌質やトラブルの原因を細かく見極めて選ばなければいけないもの。

 最近は高濃度をうたっているビタミンCコスメも増えていますが、濃度が高いほどいいというのは間違いで、刺激が強すぎて肌状態が悪化することも少なくありません。ターンオーバーを促進する【6】レチノール(ビタミンA)配合の化粧品も、長期間使っていると皮膚の新陳代謝が早くなりすぎて、若い人でも肌がゆらぐことがあります」

SNSで話題の商品はデメリットまでしっかり調べる

 柴さんは、そもそも化粧品で肌荒れを治そうという考えが間違いだと話す。

「有効成分の質や濃度、配合量は商品によってバラバラですし、それ以外の添加物が肌トラブルの原因になることもある。特に【7】“SNSで話題の商品”や“知人のおすすめ”を基準に選ぶのは危険。副作用などのデメリットまできちんと調べましょう」(柴さん)  

 【8】敏感肌用の化粧品にもゆらぎ肌を「治す」効果はない。あくまでも、「敏感肌でも刺激を感じずに使える」というだけなのだ。

「敏感肌用化粧品には肌が本格的に荒れる前に刺激を与えないようにするためのものが多く、炎症を抑える成分は含まれていないものもあります」(小村さん)

話題のコスメより具だくさんのみそ汁

 肌が荒れているときはつい、効きそうな化粧品を探してしまうが、柴さんはそれこそ、ゆらぎ肌を悪化させる悪手だと一刀両断する。

「肌の炎症がひどいときは【9】新しく足すのではなく、いま使っている化粧品を可能な限りやめることが、いちばんのスキンケアになります。ファンデーションや口紅だけではなく、クレンジングや洗顔料、化粧水などもすべてやめて皮膚科を受診し、処方されたもの以外は顔につけないようにしてください」(柴さん)

 肌への刺激を極力減らし、内側から体を整える以上に、ゆらぎ肌の“治療法”はないのだ。

「食事も、肌のゆらぎを左右する重要な要素。炭水化物や乳製品が好きな人は特にビタミンB群が不足しがちで腸内環境が乱れやすく、花粉の影響も受けやすい。肌が荒れている人を血液検査すると、大抵の場合、ビタミンB群やC、D、亜鉛が不足しています。

【10】みそ汁は、これらの栄養素を手軽に補えます。みそで腸内環境を整えられるだけでなく、豆腐や魚介類を入れればたんぱく質を、野菜を入れればビタミンB群やC、亜鉛を、きのこを入れればビタミンDを摂取できます」(小村さん)

 ゆらいだ肌を立て直すには、正しい知識が必要だ。

「ゆらぎ肌」対策法10【まとめ】

【1】保湿が第一優先

【2】スプレータイプの化粧水は避ける

【3】オールインワンジェルは乾燥を招く

【4】クリームを練りこむようにつけるのは厳禁

【5】ビタミンCをうたう商品を頼り切らない

【6】レチノール(ビタミンA)を使い過ぎると若い人でも肌がゆらぐ

【7】SNSの商品にすぐ飛びつくのは注意

【8】敏感肌用の化粧品はゆらぎ肌を「治す」効果はない

【9】肌の炎症がひどい時は出来る限り使っている化粧品をひかえる

【10】豆腐、魚介類、きのこなどの具が入った味噌汁を飲む

※女性セブン2024年3月28日号
https://josei7.com/

●「肌のシミ」はなぜ増える?レーザー治療やシミ対策コスメの最新事情を医師が解説

●介護生活にハーブを!<8>お肌のケアに役立つ「カモミール」「カレンヂュラ」「アプリコット」

●健康と美容の大敵「骨の老化」は運動で予防を 骨が若返る2大トレと骨トレメソッド

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