シモ問題も直面!ばあさんとの愉快な毎日~「あっけらかん」と笑える介護<後編>
愛されキャラの“ばあさん”との介護生活を描いた漫画で人気のブログ『あっけらかん』。イラストレーターのなとみみわさんは、人によってはつらい体験も、明るく楽しいエピソードに変えてしまう。この漫画を通して、介護する側とされる側、お互いがハッピーでいるための心がけに気づき、勇気づけられた読者も少なくないはずだ。
そんな楽しいエピソード満載のなとみ家の介護だが、実際には、過酷なことも少なくなかったという。1年くらい前から認知症が進み、今までは普通にできていたシャツの着方やドアの開け方を忘れてしまったり。そのときのショックな思いも漫画にはしっかりと描かれているが、些細なことでもできた日には「すごい! できたできた!」と喜ぶ様子がたくさんアップされている。
そのように、介護する側、される側が無理することなく、「あっけらかん」と毎日を過ごすヒントはどこにあるのか。前編に続き、後編となる今回は、どのように介護生活を乗り越えてきたのか、大変だったときのことも聞いた。
介護スタッフとの絶妙なチームワーク
なとみさんのブログ『あっけらかん』には、ケアマネジャー、訪問診療医、訪問看護師、訪問歯科医、福祉用品業者など、介護関連のプロたちが何人も登場する。そうした人たちと素晴らしいチームワークを築き、みんなが楽しくあっけらかんと、”ばあさん”の介護に取り組んできた。
「徐々に認知症が進んで、最終的には要介護5まで進んだんですけれど、最期まで在宅で介護するつもりでした。だから、介護認定を受けるときに『使えるものは全部使い切ろう』と。介護スタッフにもすごく恵まれて、家族のようなチームを作ることができました。週3回通っていたデイケアでもスタッフや他のお年寄りと仲良くなって、すごく楽しそうでしたよ。こうやって色んな人から良くしてもらえたのも、ばあさんがいい人だったからでしょうね」
ついにやってきた!シモの問題
2016年に倒れてから、一時期は寝たきりに。そうなると、ずっと自分でできていた排泄もできなくなってしまった。それでも、どうしても自分でトイレに行きたい”ばあさん”。どんなに声を掛けてほしいと頼んでもこっそり一人で行こうとするため、なとみさんは丸2日間眠らず、”ばあさん”がトイレに行かないか、ただひたすら聞き耳を立てたこともあったという。
「以前から下着を汚してしまうことはありましたが、この頃のばあさんは便秘に悩まされていました。その状態で便秘薬を飲んだものだから、硬い便の奥から軟便が漏れ出てきて大変なことになってしまって、意を決してグローブをした指で掻きだしましたよ。このときは本当に大変でしたけれど、便が出てくるところを見て、こうなっているのかとちょっと感動してしまう自分もいて(笑い)。漏らしてしまうことも多いのでオムツをしてほしかったんですけれど、オムツは絶対にできないと言って譲らないので、『じゃあいくらでも漏らしていいようにじゃんじゃんパンツを買ってこよう!』と、本当にたくさんパンツを買ってきましたよ」