腰痛や肩こりが改善!転ばない体を作る「転倒防止体操」<パート2>
鉄鋼大手の『JFEスチール』が、従業員の足腰を鍛え、転ばぬ体づくりのために考案した『アクティブ体操(R)』がテレビやYouTubeで話題だ。同社では、毎日2回の約5分、体操を続けたところ、従業員の腰痛や肩こり、姿勢が改善。作業場での転倒もなくなった。そこで、体操の全貌を公開! 「全身の筋肉を動かす」パート1に続き、「体の軸を安定させる」パート2を紹介します。
下半身の筋力強化や、股関節の柔軟性の向上、バランス能力を高めるために、新たに2007年に考案されたのがパート2の体操だ。同社ヘルスサポートセンターの乍(ながら)智之さんは、こう語る。
「股関節を開き下半身を安定させる四股の姿勢や、バランスを養うために、片足で立つ体操や床運動などを取り入れました」(乍さん・以下同)
つま先を上げ、足首の動きをスムーズにすることなどで転倒しそうになったときに、バランスを立て直す力を強化している。
「パート1、パート2、いずれも正しい姿勢と動きを意識して行うことで、かなりの運動効果が期待できます。社内向けの体操は約5分ですが、それぞれ回数を増やして行っていただければ、アスリート並みの運動になりますよ」
四股ストレッチや、スクワットをすることで、ヒップアップ効果も期待でき、毎日、続けることで転倒防止以外にダイエットにもなる。
下半身を強化することで、同社でも転倒災害は大幅に減少。それに加えて、肩こりや腰痛、運動不足解消になったと、従業員の7割が答えているという。
寝たきりの主要な原因の1つが転倒・骨折といわれている。今からでも遅くない。足腰を鍛えよう。
体操をする前の注意点
1.最初は2~3回から
パート1は回数にこだわらず、自分ができる範囲で行おう。硬い筋肉を無理して動かしてもけがのもと。1つの動きを2~3回繰り返すことから始めて、慣れたら徐々に回数を増やして。パート2は各動き、指示通りの回数を行う。
2.理想は朝1回、午後1回
同社では、パート1を午前8時50分に、パート2を午後3時に行っている。それに合わせて、寝起きの体をほぐすため、朝起きて1時間くらいにパート1を、適度にたまってきた疲労を解消するため、午後にパート2を行うのが理想だ。
3.服装は自由。スカートでもOK
同社では、男性は作業着に安全靴で、事務職の女性はスカートにオフィス用サンダルで行っている。パート1は、どんな服装でも運動できるようにプログラミングされているが、パート2はスカートの場合、足は無理して大きく開かず、肩幅程度に開いて。
4.1つの動きだけを集中して行うのも◎
全体を通すとパート1、パート2いずれも約5分かかる。まずは通して行って、自分が心地よいと思った動きを気づいたときに行うことからでも始めても問題ない。家事の合間に首回しを3~5回、毎日行うだけでも効果は実感できる。
5.動かす体の部位を意識する
柔軟性やできる回数にこだわるよりも、正しいフォームで伸ばすべき筋肉がきちんと伸びているか、動くべき関節がしっかり動いているかを意識することが大切だ。イラストと解説で動作をしっかりと確認し、楽にできる範囲で行おう。